2009年3月4日水曜日

リソー教育の岩佐実次会長「幼児から社会人までカバーする」

(日経 2月23日)

ベネッセコーポレーションや学習研究社といった大手を軸に、
教育業界で合従連衡の動きが相次いでいる。
業界再編の「台風の目」が、リソー教育だ。
個別指導塾に強みを持ち、2009年2月期の業績も
前期比で増収増益を見込む。
業務提携やM&A(合併・買収)の方向性などを岩佐実次会長に聞いた。

——業界再編の動きが加速。

「塾業界には、創業者が経営する会社が多くある。
全国展開できるのは、市場の大きい大学受験向けの塾くらいで、
小学生—中学生向けは、『地方の雄』が散らばっている状態。
高齢になった創業者が引退を考えて、自分の育てた会社の引き取り手を
探す例が増えているようだ」

——ベネッセなどは塾の買収に積極的。

「教育業界には、資金力のある会社が少ないので、売り手からすれば
断トツの規模を持つベネッセに声をかけたい気持ちに。
少子化などで先行きに不安を感じ、ベネッセに身売りした経営者も」

——リソー教育も買収合戦の主役とみなされている。

「難関大学向けで有数の実績を持つ、個性のある塾でないと買う意味は薄い。
マスをターゲットにした塾は、伸びが見込めない。
関東地盤の中堅塾を買わないかと持ちかけられたが、
もっと大きい塾を狙いたいので断った」

——塾以外にも狙っている会社はあるか。

当社の強みは、子どもを囲い込んでいること。
高校生までを対象に塾を運営しているが、大学に入ってしまうと、
縁が切れるのはもったいない。
就職情報サイトの運営会社を買収するなどして、大学生向けに
アルバイトや就職のあっせんを始めるのも面白そう」

資格取得講座などにも手を広げ、幼児向けから社会人向けまで
カバーするのが理想。
ノウハウがないので、実現にあたっては買収や提携といった手段を取るのが
手っ取り早いと考えている」

——リクルートなどと組みたいということか。

「金融機関から、『組んでみたらどうですか』という話をされることも。
子どもは、どんな業界にとっても将来有望な顧客なので、
さまざまな企業から提携先として評価してもらえる可能性はある」

——Jリーグ、東京ヴェルディの経営権を取得するという観測も。

「1月、一部メディアで報道があったが、寝耳に水だった。
これまでスポンサー契約は結んでいたが、経営権を取得する考えはない。
年間10億円の赤字を出していると言われるチームを引き取るには、
当社の規模では足りない。
そんなに資金が余っているなら、塾の規模拡大に回す」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090220.html

0 件のコメント: