(2009年2月27日 Medscape)
減量を試みる肥満患者の生活習慣改善支援の方法として、
栄養士の電話による頻繁な接触が面談カウンセリングと同等の効果。
『Annals of Internal Medicine』2月17日号に発表。
Pfizer社(コネチカット州)のAndres G. Digenioらは、
「医師は、減量のための薬剤を頻繁に処方するが、
生活習慣のカウンセリングはほとんど行わない。
両者を組み合わせると、介入の効果が高まる」
「生活習慣カウンセリングを省略する理由は、
行動カウンセリングの訓練をほとんど受けていない、
カウンセリングの時間がとれない、集学的スタッフが揃っていない、
インフラ整備が不十分、外来回数を増やしても医療保険の対象に
ならないことによる費用、といったことが考えられる」
目的は、肥満臨床試験の実施経験を有する独立研究臨床施設12カ所で
シブトラミン治療を受けている肥満患者の生活習慣改善プログラムで
提供される5つの手法を比較。
ランダム置換ブロック(ブロック長は5)のスケジュールを用いて、
肥満被験者376例(肥満指数が30~40 kg/m2)を各介入群。
試験期間中は、被験者全員をシブトラミン10 mg/日、生活習慣の手引き、
体重減量ウェブサイトへのアクセスで治療。
5種類の介入手法は、回数の多い面談による
生活習慣改善カウンセリング(n = 74)、回数の少ない面談による
生活習慣改善カウンセリング(n = 76)、回数の多い電話による
カウンセリング(n = 76)、回数の多い電子メールによるカウンセリング(n = 74)、
栄養士からの接触なし(自助努力、n = 76)。
試験の主要エンドポイントは、6カ月間での体重の変化率であり、
二次転帰は6カ月間での胴囲、脂質・糖・インスリンのレベル、血圧、
体重関連症状、生活の質の変化。
回数の多い面談の群と回数の多い電話の群は、
試験開始から6カ月後の平均減量率に差がなく、
その他の群よりも有意に大きかった。
胴囲、高比重リポ蛋白コレステロール値、トリグリセリド値、生活の質と
体重関連症状の測定値は、全介入群において有意に改善。
深刻な有害事象は報告されず、軽度の有害事象も群間に有意差がなかった。
「減量を試みる肥満患者の生活習慣改善支援の面で、
回数の多い電話による栄養士の接触はHF-F2F(回数の多い面談)
による接触に差が無かった」
「今回の知見は、健康的な生活習慣改善を促進する医療提供者や
医療システムで活用できる」
限界として、被験者のほとんどが白人女性で、知見の一般化が難しいこと、
離脱率が30%と高かったこと。
「体重減量に、生活習慣カウンセリング支援の様式と回数が大きな影響を持つ。
被験者の減量の幅は、栄養士の頻繁な面談による接触を受けた場合に最大、
栄養士の支援がない場合には最小。
薬物治療と併用した場合、電話を介した栄養士によるカウンセリングも
面談カウンセリングと同程度に有効」
Ann Intern Med. 2009;150:255-262.
http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/2/27/92753/
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