2009年3月6日金曜日

逆風の中で:第3部・サッカー界は今/7 苦戦覚悟のJ参入

(毎日 2月23日)

昨年、ファジアーノ岡山の木村正明社長のもとに電話。
「契約の話を白紙に戻す」
新シーズン、メーンスポンサーとなる予定だった企業から。
「覚悟はしていたが、ついに来たか」。不況の到来を実感した瞬間。

米系証券会社のゴールドマン・サックス証券で、
執行役員を務めた経歴を持つ木村社長は、
かつてのバブル経済崩壊と比べ、今回の景気落ち込みの速さを感じている。
「(9月の)『リーマン・ショック』から、一気に最悪の雰囲気になった」
チームはJリーグ入りを目指し、JFLで上位争いを繰り広げた時期。
J参入が決まれば、予算規模を拡大せざるをえないが、
スポンサー探しに暗雲が垂れこめた。

結局12月のJリーグ入会審査直前になって、メーンスポンサーに
岡山ガスを迎えることができた。
同社の岡崎彬社長は、地元商工会議所の会頭。
木村社長は、「窮状を救ってもらった」と感謝。
メーン以外のスポンサーにも支えられた。
親企業を持たない市民クラブとして、地域に根ざした営業を進めた効果もあり、
「こういうときこそ互いに頑張ろう」と、大半が出資を継続。

岡山は、性急な拡大路線に乗らない、小ぶりな「J2型経営」を掲げる。
JFLの08年度は、2億2000万円で収支が均衡したが、
09年度は倍以上の予算規模を設定。
これでも、J2最低レベル。
「JFL時代と同じ選手層で勝てないと分かっているが、
若いチームが試合を通じて伸びていく、というやり方しかできない」

目を引く補強は行わず、主力メンバーは、
地域リーグを戦った当時から変わっていない。
J2では苦戦が予想される。
「負けても、愛されるチーム作りが大事。成績に関係なく、スタジアムに
常時1万人入るようになることが、地方クラブの生きる道だと思う」

JFL時代にも好評だった、小学生を対象とした無料パス制度「夢パス」は、
今季も継続する。
夢パス利用の入場料相当額を、スポンサーが負担するシステムで
支援企業、地域との一体感を、より高めていく。

木村社長の経済認識は前向き。
「皆さん、悲観的すぎる。ダメージはしばらく残るだろうが、
『ここ数年は暗黒時代』という状況にはならない」
それでも、景気に左右される経営は行わない。
「日本が右肩あがりで急成長したり、バブルを謳歌できる時代は終わった」
壮大な夢は見ず、「100年後まで残るクラブ」を目指して、地道に汗をかく。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2009/02/23/20090223ddm035050089000c.html

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