2009年3月5日木曜日

逆風の中で:第3部・サッカー界は今/6 支援企業、県外に拡大

(毎日 2月22日)

昨年はナビスコ杯を初制覇し、J1リーグ戦も4位に入った大分トリニータ
03年からJ1で活動する大分にとって、
過去最高の成績はクラブの全国的な知名度アップにつながり、
今季に向けた営業活動にも「追い風」になるはず。

そこに襲った世界的な不況。
サッカークラブ経営にも影を落とし始めている中で、大分の溝畑宏社長は
「もっと『クラブの価値』を高めなければ」と強調。
今は営業活動の視野を、大分県内だけでなく首都圏の企業にも広げ、
08年度でも広告料収入約9億円のうち、6割が県外企業。
「我々は夢を売るのが商売」と、社長自ら積極的にセールスに動く。

自治省(現総務省)から大分県に2度にわたって出向し、
「無類のサッカー好き」が高じて、94年にクラブの運営会社
「大分フットボールクラブ」発足当初から運営に携わってきた溝畑氏。
04年に社長に就任した2年後、総務省を退職して自ら「退路」を断った。
「1日50社」を訪れて個人事業者から大手企業まで、
約700社のスポンサーを獲得。
その手法は、地方のサッカークラブなどで「参考にしたい」と、
オフシーズンには数多くの視察や問い合わせを受けている。

それだけ動いても、07年度の大分の営業収入は22億6100万円、
J1平均の7割程度。
大企業の親会社を持たないクラブ運営だけに、
「地元だけ(のスポンサー募集)では限界がある」
08年度のホームゲームの平均入場者数は、J1リーグ5位の2万322人を
集め、クラブと地域住民との交流活動も盛んな大分。
クラブが目標とする「平均入場者数3万人」の達成と、
対象を首都圏など県外の企業にも広げたスポンサー確保が、
さらなる安定運営への両輪に。

同じ九州のクラブで、昨季からJ2で戦うロアッソ熊本も、
大分の営業活動を参考に、「広く薄く」スポンサーを募ってきた。

昨季のスポンサー数は、JFL時代の3倍となる約220社。
熊本の宮本博之営業部長は、「『熊本を元気にするため協力してほしい』
と訴えてきた」
08年度の広告料収入は、目標の3億円に満たない約2億5000万円。
J2に昇格しても、それがクラブの経営改善の「特効薬」にならないのが現状。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2009/02/22/20090222ddm035050135000c.html

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