(毎日 2月22日)
昨年はナビスコ杯を初制覇し、J1リーグ戦も4位に入った大分トリニータ。
03年からJ1で活動する大分にとって、
過去最高の成績はクラブの全国的な知名度アップにつながり、
今季に向けた営業活動にも「追い風」になるはず。
そこに襲った世界的な不況。
サッカークラブ経営にも影を落とし始めている中で、大分の溝畑宏社長は
「もっと『クラブの価値』を高めなければ」と強調。
今は営業活動の視野を、大分県内だけでなく首都圏の企業にも広げ、
08年度でも広告料収入約9億円のうち、6割が県外企業。
「我々は夢を売るのが商売」と、社長自ら積極的にセールスに動く。
自治省(現総務省)から大分県に2度にわたって出向し、
「無類のサッカー好き」が高じて、94年にクラブの運営会社
「大分フットボールクラブ」発足当初から運営に携わってきた溝畑氏。
04年に社長に就任した2年後、総務省を退職して自ら「退路」を断った。
「1日50社」を訪れて個人事業者から大手企業まで、
約700社のスポンサーを獲得。
その手法は、地方のサッカークラブなどで「参考にしたい」と、
オフシーズンには数多くの視察や問い合わせを受けている。
それだけ動いても、07年度の大分の営業収入は22億6100万円、
J1平均の7割程度。
大企業の親会社を持たないクラブ運営だけに、
「地元だけ(のスポンサー募集)では限界がある」
08年度のホームゲームの平均入場者数は、J1リーグ5位の2万322人を
集め、クラブと地域住民との交流活動も盛んな大分。
クラブが目標とする「平均入場者数3万人」の達成と、
対象を首都圏など県外の企業にも広げたスポンサー確保が、
さらなる安定運営への両輪に。
同じ九州のクラブで、昨季からJ2で戦うロアッソ熊本も、
大分の営業活動を参考に、「広く薄く」スポンサーを募ってきた。
昨季のスポンサー数は、JFL時代の3倍となる約220社。
熊本の宮本博之営業部長は、「『熊本を元気にするため協力してほしい』
と訴えてきた」
08年度の広告料収入は、目標の3億円に満たない約2億5000万円。
J2に昇格しても、それがクラブの経営改善の「特効薬」にならないのが現状。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2009/02/22/20090222ddm035050135000c.html
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