大船渡市の本増寺(木村勝行住職)で23日、
昭和35年5月24日に来襲したチリ地震津波で犠牲となった
人々の供養碑入魂式が行われた。
供養碑は、津波犠牲者の五十回忌に合わせて建立。
法要に続いて行われた入魂式では、
檀信徒ら関係者が供養碑に向かって焼香し、
被災の教訓を後の世に伝えていくことを胸に刻んだ。
供養碑は、津波による大災害と犠牲者の無念を思い起こし、
忘れてはならない歴史として後世に伝えていこうと、
同寺が津波犠牲者の五十回忌に合わせて建立。
入魂式に先立ち、本堂で行われた津波犠牲者の五十回忌法要には、
チリ地震津波の体験者でもある檀信徒ら20人が参列。
読経のあと、総代の佐藤泰造さんが追悼文を読み、
津波に命を奪われた犠牲者に弔意を表した。
境内で行われた入魂式では、供養碑の除幕に続き、
木村住職が津波被害の惨状と犠牲者を偲ぶ言葉を記した
碑文を読み上げた。
献灯、献花、献茶のあと、檀信徒が読経が流れる中で焼香。
供養碑に手を合わせ、慰霊の心と防災への誓いを新たにした。
境内の北側に建立された御影石の供養碑は
縦100センチ、横140センチの大きさ。
裏面には、チリ地震津波の来襲時刻が刻まれている。
供養碑を建立した木村住職は、
「50年の歳月を経ても亡き人は帰ることなく、落涙をもよおす。
供養碑は孝養積善の道を思い、建立したもので、
永久の供養を怠ることなく努めていきたい」
チリ地震津波により、国内では三陸沿岸を中心に死者、
行方不明者合わせて142人という大きな被害。
大船渡市史によると、52人が死亡、1人が行方不明となった
同市の被害額は、当時の金額で約80億円、全国最大の被災地。
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