2009年6月5日金曜日

チリ地震津波犠牲者50回忌に合わせ 本増寺境内に供養碑建立

(東海新報 5月24日)

大船渡市の本増寺(木村勝行住職)で23日、
昭和35年5月24日に来襲したチリ地震津波で犠牲となった
人々の供養碑入魂式が行われた。

供養碑は、津波犠牲者の五十回忌に合わせて建立。
法要に続いて行われた入魂式では、
檀信徒ら関係者が供養碑に向かって焼香し、
被災の教訓を後の世に伝えていくことを胸に刻んだ。

供養碑は、津波による大災害と犠牲者の無念を思い起こし、
忘れてはならない歴史として後世に伝えていこうと、
同寺が津波犠牲者の五十回忌に合わせて建立。

入魂式に先立ち、本堂で行われた津波犠牲者の五十回忌法要には、
チリ地震津波の体験者でもある檀信徒ら20人が参列。
読経のあと、総代の佐藤泰造さんが追悼文を読み、
津波に命を奪われた犠牲者に弔意を表した。

境内で行われた入魂式では、供養碑の除幕に続き、
木村住職が津波被害の惨状と犠牲者を偲ぶ言葉を記した
碑文を読み上げた。

献灯、献花、献茶のあと、檀信徒が読経が流れる中で焼香。
供養碑に手を合わせ、慰霊の心と防災への誓いを新たにした。

境内の北側に建立された御影石の供養碑は
縦100センチ、横140センチの大きさ。
裏面には、チリ地震津波の来襲時刻が刻まれている。

供養碑を建立した木村住職は、
「50年の歳月を経ても亡き人は帰ることなく、落涙をもよおす。
供養碑は孝養積善の道を思い、建立したもので、
永久の供養を怠ることなく努めていきたい」

チリ地震津波により、国内では三陸沿岸を中心に死者、
行方不明者合わせて142人という大きな被害。
大船渡市史によると、52人が死亡、1人が行方不明となった
同市の被害額は、当時の金額で約80億円、全国最大の被災地。

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