2009年6月2日火曜日

新しい波/302 toto好調の波紋/1

(毎日 5月16日)

スポーツ振興くじ(toto)の収益配分を検討する
「スポーツ振興事業助成審査委員会」
委員の一人である三屋裕子さん(バレーボール元五輪メダリスト)は、
衝撃を隠さなかった。
「一時はどうなるかと心配しましたが、驚がくの一言に値します」

昨年度、totoの売上額は過去最高の897億円(前年度比260億円増)。
06年度末、累積赤字が264億円に達し、政府が廃止も検討したほど。
06年9月にスタートした、最高当選金額6億円の「BIG」が大ヒット。
昨年度は急激に売り上げを伸ばし、
09年度にスポーツ界へ助成できる額は、過去最少だった
2年前の150倍近い116億円(見込み額)。

収益金は、半分を当選払戻金にあて、経費や借入金返済を差し引いた
3分の1を国庫へ納付。
残る3分の2を、競技団体と地方公共団体等に配分。
売り上げ急増に助成申請が追いつかず、
内定したのは1546件の61億円分のみ。
50億円余りが宙に浮いた。

totoを運営する日本スポーツ振興センターの
石川良二・スポーツ振興事業部長は、
「収益の変動にかかわらず、毎年安定した助成を実現するには、
一定額の留保(繰り越し)は必要」
販売不振を理由に、クラブなどへの助成を途中で打ち切った苦い過去もあり、
40億円を次年度以降に繰り越す方針。

委員の間には、「40億円残すというのは、
それだけ要望が集まらないということ。
助成する活動内容の枠組みを、もっと広く規定してもいいのでは」
同センターでは、5月下旬から地方公共団体などに向けて
10億円規模の事業を追加募集する。

01年度に始まったtotoは、一時期の売り上げ不振や存続の危機を
とりあえずは脱した。
スポーツ振興をめぐるカネの使われ方が、改めて問われている。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20090516ddm035050156000c.html

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