2009年6月1日月曜日

ボシュロム・ジャパンの広瀬会長「国内売上高、5年以内に倍増」

(日経 5月18日)

日本は、コンタクトレンズ大国。
他の先進国に比べ、使い捨て製品を使う人が多く、
市場規模は年間1600億円前後。
世界で初めてソフトコンタクトレンズを実用化した
米ボシュロムの日本法人、ボシュロム・ジャパンは現在シェア約1割。
1990年代、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)日本法人で
コンタクトレンズ事業の拡大に尽力した経験のある広瀬光雄氏を、
会長に据え、巻き返しを急ぐ。
今後のコンタクトレンズ市場の見通しとボシュロム・ジャパンの戦略を聞いた。

——日本のコンタクトレンズ市場をどうみているか?

「先進国の中、日本は視力矯正する人が圧倒的に多い。
米ボシュロムは、1970年代にソフトコンタクトレンズを開発、
日本でも80年代以降の同社製品の使用者は順調に伸びてきた」

米J&Jが、90年代に使い捨て製品を投入して市場は一変、
現在は使い捨て製品の使用者が大半。
これは、他の先進国とは異なる。
使い捨ては、製品の消毒・洗浄の手間が省け、レンズを清潔に保てる、
と眼科医がみなし、自分の患者に薦める。
他社に先行し、1日使い捨て製品を早期に発売したJ&Jが
シェア約5割を占め、ボシュロムは約1割に

——今後どのように事業の拡大を目指すか?

「コンタクトレンズ事業の拡大を急ぐ。
ボシュロムを含め、シェア1割前後の2位メーカーが
複数しのぎを削っている状況。
今後1−2年の間に、新製品の投入などで他社と差をつけ、
優位性ある2位に浮上したい。新製品の投入も強化する」

「1日使い捨て製品は、洗浄・消毒が不要なため清潔だとして薦める
医師が多いのは事実。
割高なため、経済的な理由から2週間用を選ぶ人も最近は増える傾向。
ユーザーの声を聞きながら、製品を順次増やしていきたい」

——各社は、酸素透過性が高い新素材、シリコーンハイドロゲルを使う
製品を拡充している。

「2週間交換型など、製品を投入している。
シリコーンハイドロゲルにもデメリットはある。
従来の素材よりも硬く、つけ心地が合わないという使用者も。
方向性としては、品ぞろえを増やす見通しだが、
他の素材の製品も怠らないようにしたい」

——販売面のてこ入れは?

「ボシュロムは、あたかもコンタクトレンズを一般消費財のようにみなし、
営業活動してきた。
コンタクトレンズ販売店向けの営業活動に重きを置き、
眼科医向けの情報提供を怠ってきた一面も。
“メダリスト”ブランドは、一般消費者に広く浸透しているが、
価格競争に巻き込まれるることも」

今後は、基本に戻る。
眼科医との関係を密にして、レンズに関する情報提供を強化したい。
日本では手掛けていない眼科手術用機器も、3年以内に投入。
白内障で濁った水晶体を置き換える眼内レンズや、
手術時に使う機器などを順次日本にも投入。
日本での売上高を、今後5年以内に2倍に拡大」

——98年、J&J日本法人、ジョンソン・エンド・ジョンソンメディカルを
退社して以来、11年ぶりにコンタクトレンズ業界に戻ってきた。

「市場環境はあまり変わっていない。
米ボシュロムは、経営不振に陥った2007年に米投資ファンドへの
身売りを決め、非上場に。
役員も大幅に入れ替わり、J&J時代にともに働いた
ジェラルド・オストロブ氏が、米ボシュロムの会長最高経営責任者(CEO)に。
彼からボシュロム・ジャパンに誘いを受け、当社会長への就任を決めた」

「J&J退社以来、私はゴルフ場再生会社パシフィックゴルフマネージメントの
会長を務め、事業再生を手掛けてきた。
今回の会長就任も、企業再生の観点から取り組める点は大きい。
かつての仲間とともに、再度新しいことに取り組むことが今から楽しみ」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090514_2.html

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