(毎日 5月25日)
セブン&アイ・ホールディングス(HD)は、
コンビニのセブン-イレブン・ジャパン、スーパーのイトーヨーカ堂、
百貨店の西武百貨店やそごう、ファミリーレストランのデニーズなどを
傘下に抱える国内最大の流通グループ。
消費者との接点が多く、事業規模も大きいだけに、
環境対策強化は不可欠。
セブン&アイHDの稲岡稔常務執行役員に取り組みを聞いた。
--CO2排出の現状は。
◆当社の07年度のCO2排出量は、約230万トン。
9割は、店内外の照明や空調など、店舗運営に伴う電力使用の排出。
会社ごとの内訳は、セブン-イレブンが41・5%、
イトーヨーカ堂が32・2%、そごうと西武百貨店で計14・1%、
デニーズが5・1%など。
--店舗ではどのような対策を取っているか。
◆1万2000店舗超が、「24時間・年中無休」で営業している
セブン-イレブンは電気使用が多く、特に重点を置いている。
07年、新店舗や改装店舗を対象に、光を反射するセラミック床材などを
導入し、蛍光灯の本数削減につなげ、1店舗当たりの電気使用量を
年約2750キロワット時削減。
照明と並んで電気使用量の多い冷凍・冷蔵ケースは、
陳列ケース別に温度を管理できる制御盤を独自開発し、
電気使用量を従来より15~20%削減。
最新の省エネ設備をふんだんに導入した環境配慮型の実験店舗を、
長野市に開いて効果を検証中で、順次広げる方針。
--イトーヨーカ堂の対策は?
◆店舗の大型化や店舗数の増加が環境負荷増大につながらないよう、
省エネ設備機器導入を進めている。
大型ショッピングセンターのアリオに、化石燃料の使用比率が低い
夜間電力を使って氷を作り、売り場の冷房に使うシステムを導入、
従来の冷房に比べ、CO2排出量を年5%削減。
--グループとしての取り組みは?
◆熱帯雨林の保全活動を展開している、国連条約に基づく政府間組織
「国際熱帯木材機関」に、今年度1億円を拠出。
CO2を吸収する熱帯雨林を違法伐採から守り、
当社の排出量の約半分に当たる120万トンのCO2排出量を抑制。
今年度は、主にインドネシアで活動する。
傘下各社や店舗ごとの地道なCO2削減と合わせ、
世界規模でのCO2削減にも積極的に参加し、責任を果たす。
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◇いなおか・みのる
東京大法卒。毎日新聞記者を経て、84年イトーヨーカ堂入社。
01年常務取締役総務本部長。06年、セブン&アイHDの常務執行役員。
岡山県出身。63歳。
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/05/25/20090525ddm008020021000c.html
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