2009年6月3日水曜日

「乳酸菌配合」でゴシゴシ 唾液分泌に口の体操

(2009年5月30日 毎日新聞社)

歯の健康維持にも、乳酸菌が大切な働きをすることが分かってきた。
ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌が、善玉菌を増やし、
腸の調子を改善するのと同じように、
口の中でも乳酸菌が虫歯や歯周病を予防するかもしれない。
6月4日は、虫歯予防の日。

◆細菌バランスを改善

口の中には、約700種類の細菌がいる。
虫歯や歯周病、口臭の原因となる悪玉菌もいれば、
虫歯菌を抑える善玉菌もいる。

腸内や口内の細菌のバランスを改善し、良い効果をもたらす微生物を
プロバイオティクスというが、実は歯の健康にも
プロバイオティクスが関係している可能性がある。

例えば、虫歯の原因となるストレプトコッカス・ミュータンス菌は、
ネバネバした不溶性グルカンを作り出し、その中で作られる酸が
歯を少しずつ溶かしていく。
口の中にいるLS1という善玉の乳酸菌は、
不溶性グルカンが作られるのを抑える。
注目は、善玉菌と悪玉菌のバランスを改善することで虫歯を予防する健康法。

◆微生物に代わる働き

乳酸菌(ラクトミン)を配合した歯磨き剤を使う方法。
鶴本明久・鶴見大学歯学部教授らは、
乳酸菌配合歯磨き剤の有効性を確かめる臨床試験を行った。

大人27人を2グループに分け、一方は生きた乳酸菌を配合した歯磨き剤、
もう一方は通常の歯磨き剤で1日2回2週間、磨いてもらった。
科学的な厳密さを期すため、両方のグループがそれぞれ逆の方法で磨く
クロスオーバー試験を実施。

歯垢(プラーク)の中にいる連鎖球菌属に占めるミュータンス菌の
比率(う蝕菌比率)を調べたところ、乳酸菌配合歯磨き剤を使った方が
ミュータンス菌が少ない。
試験開始前、ミュータンス菌比率の高かった人ほど、減少傾向が強かった。
一方、歯垢の全体量にはあまり変化はなかった。

鶴本教授は、「ミュータンス菌比率の減少は有意差はなかったが、
乳酸菌群でミュータンス菌比率の減少傾向が見られた。
虫歯を防ぐ上で、乳酸菌がプロバイオティクスのような働きをする
可能性を示唆するものだ」

乳酸菌は、もとは腸にいるもので、口の中に定着するものではない。
今後は、「乳酸菌と改善作用のメカニズムを詳しく研究していくことが必要」

◆基本は毎日の歯磨き

乳酸菌を取っただけでは虫歯予防にはならない。
基本は、毎日歯を磨くことと適切なフッ化物の応用。
鶴本教授は、「夜、寝る前にきっちりと磨くことが基本。
テレビを見ながらでもよいが、3~4分間、ブラシだけで歯全体を磨き、
フッ化物が配合された歯磨き剤で磨けば確実。
乳酸菌配合なら、なお期待できるかもしれない」

◆汚れ落とし酸を中和

唾液をよく出すことも、虫歯予防には大切。
口の中の汚れを洗い落とし、虫歯菌のつくった酸を中和する働き。
唾液が少ないと、口の中がネバネバすることも。

唾液が出るのは、食べ物をかんだときだけでない。
あごの下にある顎下腺や舌下腺は、副交感神経に支配され、
悩み事や不眠などストレスがあると、唾液の分泌が少なくなりやすい。

食事の雰囲気も大事で、「独り寂しく取る『孤食』は避けたい」
唾液をたくさん出すには、毎日の食事でよくかむことが重要。
歯の弱い高齢者の場合、軟らかいものを食べているとかむ回数が減り、
唾液分泌が少なくなりやすい。
高血圧薬などを長く服用していても、少なくなることがある。

◆顔の筋肉動かし刺激

高齢者に効果的なのが、口周辺のマッサージや口の体操。
茅ケ崎保健福祉事務所は、お口の体操を映像で解説したDVD
「湘南版お口の健口体操」(20分)を製作、とても好評。
唾液腺は、口や顔の筋肉を動かすと刺激され、
両手で口の周りをもみほぐしたり、なでたりする。
歌うことも口の体操になる。
発声練習の要領で、「あ」「い」「う」「え」「お」と声を出すのもよい。

口を開けて舌を上下左右に動かしたり、回したりするのも、唾液分泌に。
口の体操を、デイケアセンターなどで実践すると効果的。

口の体操を広めている同福祉事務所の北原稔・保健福祉課長は、
「お年寄りが口や顔の筋肉を動かすことは、唾液を出すだけでなく、
顔の表情が豊かになって物事に意欲的になる」
DVDの問い合わせは、「クリフォード」(電話045・662・5688)

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/6/1/100853/

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