(日経 2009-07-23)
トヨタ自動車は、高級ブランド「レクサス」で、
初のハイブリッド仕様専用車となる「HS250h」を発売。
最廉価車種は395万円と、レクサスブランドで最も安い値段。
レクサスの顧客層拡大を担う。
レクサスセンター製品企画の古場博之主査に、開発の狙いを聞いた。
——レクサスブランドでの「HS」の位置づけは?
「コンセプトは、レクサスのエントリーカー。
日本の道路事情を意識して、車幅を『IS』の1795ミリメートルから
さらに短くした。
ハイブリッド専用車として環境性能を上げて、顧客の幅を広げる狙い」
「価格も、ISと同等にする目標で取り組んだ。
レクサスとして求められる性能を確保するため、
図面を何度も書き直して、部品一つから原価を積み上げた」
——対象顧客は?
「レクサスの顧客は50〜60歳代がメーンだが、HSは40歳代が中心。
環境意識の高い30歳代も視野に」
「北米では、月間2400台の販売を計画。
道路事情に合わせ、足回りなどの細かい設定を変えた。
米国でも、クルマの先進性や環境性能を評価する若年世代や
富裕層を取り込んでいきたい」
——想定する競合車は何か?
「新車開発は通常、競合を設定するが、
HSは『このクルマ』といった明確な対象がない。
HSは、プレミアムセダンの“新種”だといえる。
他車をベンチマークにする代わりに自前で、
1600強の評価項目を設け、一つずつ解決。
ハイブリッドは制御が複雑なので、おのずと項目が多くなった」
「サイズに限れば、同じ2500cc級で独BMW325や
メルセデス・ベンツのC250あたりが比較対照に」
——ハイブリッド車(HV)では「プリウス」が爆発的に売れている。
「HVは、燃費の絶対値のほかに、ベースとなる
ガソリンエンジンとの違いをみてほしい。
プリウスの燃費性能は、1800cc級で最高水準となる
ガソリンエンジン車の約2倍。
HSも、2500cc級の『マークX』などに比べ、燃費性能は約2倍。
HSは環境力に加え、より上質さを求める顧客に訴求できる」
——フロントの印象が従来のレクサス車から変わった。
デザインで意識した点は?
「レクサスのHVでは、2003年のモーターショーモデルから
取り入れているグリルデザインを採用。
『プリウス』がHVの象徴になっているのと同様、
HSもハイブリッド専用車として一目で分かる姿にしたかった。
青色で縁取ったレクサスマークやクリアレンズなどの
外観や内装でも、専用車ならではのデザインにした」
——燃費向上を支援するナビゲーションシステムを搭載した。
「乗り方次第だが、システムによって10〜20%の燃費改善が
期待できるのではないか。
ごく短期間の燃費を意識しすぎて、交通渋滞を招いても困るので、
月間平均でランキングをつくることに。
顧客の評価を踏まえて、他のクルマにも載せるかどうか検討したい」
▼レクサス「HS250h」の主要諸元
▽全長4700ミリメートル
▽全幅1785ミリメートル
▽全高1505ミリメートル
▽ホイールベース2700ミリメートル
▽車両重量1640キログラム
▽定員5人
▽エンジン直列4気筒DOHC
▽エンジン排気量2362cc
▽モーター交流同期電動機
▽駆動用主電池=ニッケル水素電池
▽10.15モード燃費23キロメートル/リットル
▽価格395万(標準グレード)
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/_mono/_mo090722_3.html
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