2009年8月1日土曜日

メタボリックシンドローム、仕組みを解明 免疫細胞が炎症誘発 東大、マウス実験で

(2009年7月27日 毎日新聞社)

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の原因となる
内臓脂肪の炎症が起きる仕組みを、
永井良三・東京大大学院医学系研究科教授らが、
マウス実験で突き止めた。

免疫細胞の一つ、Tリンパ球が炎症の引き金に。
メタボリックシンドロームの治療薬開発につながる。
26日付の米専門誌「ネイチャーメディスン」(電子版)に掲載。

内臓脂肪が蓄積し、脂肪細胞が大きくなると、
白血球の仲間のマクロファージなど、免疫細胞が集まって
慢性的な炎症が起きる。
炎症により、インスリンの効きが悪くなることなどが
マウス実験で分かっており、動脈硬化や糖尿病などにつながる。
しかし、炎症の起きる仕組みはなぞ。

永井教授らは、高脂肪食を与えた肥満マウスと
通常の食事を与えたマウスを比較。
その結果、肥満マウスは病原菌を撃退する
「CD8陽性Tリンパ球」が、マクロファージより先に増えていた。

このリンパ球を減らしたり、存在しないマウスを作製して調べると、
高脂肪食を与えても、内臓脂肪組織に炎症が起きないことが判明。
一度炎症が起きたマウスから、このリンパ球を取り除くと、
内臓脂肪の炎症が抑えられ、
インスリンの効きが改善されることなども分かった。

真鍋一郎・東京大大学院医学系研究科特任准教授(循環器内科)は、
「このTリンパ球は免疫機能にとって重要で、
すべてを除去するのは難しい。
脂肪組織の肥満化によって、Tリンパ球を活性化させる物質を
見つけられれば、それを制御することで、
メタボリックシンドロームの治療薬開発につながる可能性がある」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/7/27/104956/

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