2009年7月27日月曜日

重い失政のつけ 「争点を探る-09衆院選」 負担の在り方含め議論を 社会保障

(2009年7月24日 共同通信社)

安心社会実現選挙だ。
社会保障と少子化に充てるため、消費税率引き上げを含めた
税制抜本改革をお願いする」

麻生太郎首相は、増え続ける社会保障費を賄うため、
将来の消費税率引き上げ実現に強い意欲を示した。
「選挙にマイナスになることでも、申し上げるのが政治の責任だ」

▽強まる逆風

舛添要一厚生労働相も、民主党の社会保障政策を、
「有権者の人気取り、八方美人だ」と批判。
内閣、政党両支持率の低迷に悩む自民党は、"責任政党"として
財源論争に活路を求めようとしている。

衆院選トレンド調査で、投票で重視する政策課題は、
「年金や医療など社会保障」が40・9%でトップ。
説得力ある社会保障政策を提示できるか否かが、選挙戦の鍵を握る。

「郵政民営化は是か非か」の一本やりで、前回衆院選で大勝した
小泉政権は2006年、経済財政運営の指針「骨太の方針」で、
社会保障費の伸びを毎年度2200億円抑制することを決め、
財政再建路線を加速。

だが、「地域医療崩壊」との批判の高まりを受け、
麻生首相は方針転換し、抑制路線を棚上げした。
政府の社会保障国民会議は、社会保障機能強化の必要性を訴え、
安定財源確保に向けた税制改正論議を求めた。
これを受け政府、与党は、負担増に向けた環境整備に乗り出していた。

かつてない自民党への逆風は、年金記録問題の発覚や
それに伴う公的年金制度に対する不信感の高まり、
75歳以上が対象の後期高齢者医療制度への根強い反発、
解消されない待機児童など、社会保障分野での"失政のつけ"が
積もり積もった結果。

▽思考停止

長妻昭政調会長代理らが先頭に立って、
「宙に浮いた」年金記録5千万件や厚生年金記録改ざんなどを
明らかにしてきた民主党。

鳩山由紀夫代表は、訴えたい政策を問われ、
公的年金を一元化する年金制度改革と、
月額2万6千円の「子ども手当」を創設する少子化対策を真っ先に挙げた。

民主党は、前回衆院選で消費税率をアップして
年金目的税化する方針を打ち出しながら、
政権奪取を最優先に据えた小沢一郎前代表時代に、
消費税論議を封印。

財源面では、大部分を「歳出見直しで工面する」ことに頼り、
党内からも「負担増については思考停止。
骨太の議論ができていない」(中堅議員)との声も。

高齢化の進行が避けられない以上、聞き心地の良い政策だけでは
早晩行き詰まるのは明らか。
あるべき負担と給付の水準について語ることなしに、
日本社会の未来像を語ることはできない。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/7/24/104848/

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