2009年8月1日土曜日

県内NPO法人、認証件数が鈍化 自主財源確保が課題

(岩手日報 7月28日)

県内の特定非営利活動法人(NPO法人)数は、
2008年度320団体に上る。
福祉、環境などさまざまな領域で活動しているが、
08年度の認証件数は15件と、ピーク時の約4分の1に減少。
解散件数は7件と、過去最多。

寄付金や会費、独自事業など、自主財源で活動する団体はわずかで、
大半は自治体などの補助金などでやりくりしているのが実情。
特定非営利活動促進法施行から10年余が経過。
法人の在り方を問い直す時期に来ている。

県NPO・文化国際課によると、本県のNPO法人の認証件数は、
1999年度以降、ほぼ毎年度増加。
05年度の56件をピークに減少に転じ、08年度は15件と、
認証開始当初の水準となった。

解散件数は計19件。
02、04、05年度が各1件、06年度4件、07年度5件、
08年度7件と年々増加。

運営資金は、独自事業で工面したり、行政や民間団体の補助金や
委託金などで賄う方法があるが、補助金などに依存しているケースも多い。
補助金などに依存すると、交付基準などがネックとなって、
自主性の高い事業が難しくなる面。

二戸市のカシオペア連邦地域づくりサポーターズ(湯川秀俊代表)は、
県補助と自己資金を2分の1ずつ用意し、地域づくり団体に
助成金を出す事業を9年間続けてきた。
資金難で、自己資金を用意することが困難になり、
10年度事業の資金の目途は立っていない。
湯川代表は、「来年度以降も何らかの形で支援を続けたい」

「新しい公共の創造」をテーマに掲げる「いわてNPOセンター」(盛岡市)は、
08年度収入の9割弱を補助金や委託金などで占めた。
経営企画室の遠藤勝見マネージャーは、
「活動終了後に、お金が交付される事業もある。
ある程度の資金がないと受けられない」とやり繰りの難しさを口にする。

盛岡市で認知症専門の介護施設を運営する「第二のわが家」
(熊谷由紀子、小野寺アキ子両代表)は、
事業の目的が明確で、地域ニーズとも一致し、
初年度(04年度)から黒字が続く。
職員15人には、ボーナスも支給。

県NPO・文化国際課の岩間隆総括課長は、
「NPO法人は、立ち止まって足元を見つめる時期を迎えた。
独自財源の確保が大きな課題。
助成金獲得方法なども含め、総合的に支援していく」と支援策を模索。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090728_15

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