2009年8月31日月曜日

スポーツ21世紀:新しい波/314 剣道/1

(毎日 8月15日)

3年に1度、世界の強豪剣士が集う第14回世界剣道選手権が、
ブラジル・サンパウロで開幕。
第1回大会から、日本が不動の地位を保ち続けてきたが、
前回、男子団体で日本が初めて準決勝で米国に敗退、
国内外に大きな影響を与えた。
日本の関係者は、「勝負に対する執念が足りなかった」と総括。

各国のレベルが向上する一方、世界に普及することで、
剣道の質が変化しつつあるという指摘。
全日本剣道連盟の理事の一人は、
「剣道は武道だが、勝つことだけに執着している選手もいる」
日本は、このはざまで「武道」としての剣道を守るため、
対策に乗り出している。

剣道の国際的機運が高まったのは、1960年代。
17カ国・地域が参加して国際剣道連盟(FIK、本部・東京都)が
70年に誕生、第1回世界選手権が日本武道館で開かれた。
世界選手権に合わせて開かれる今年の総会で中国、イスラエル
などの加盟が承認、50カ国・地域に増える見込み。

日系人や日本に滞在した外国人が剣道を始めることが多かったが、
「日本の文化を学びたい」という海外の外国人も目立つ。
米国では、約4000人が全米剣道連盟に登録するなど、
競技人口が増え、ブラジル、カナダ、韓国なども実力をつけている。

東京都内の会社員、ダニエル・ヤングさん(28)は、
今大会に米国代表で出場。
母親が日本人で、米国生まれ。
祖母からもらった剣道の漫画「六三四の剣」にあこがれて、
小学4年で剣道を始めた。
高校入学と同時に来日、現在は富士ゼロックス剣道部に所属。

ニューヨークやカリフォルニアで盛んで、全米選手権もある。
日本を破った前回は、韓国に敗れて準優勝。
「前回、日本に勝ったのはたまたま。
100回に1回しか勝てないかもしれないが、その1回に懸けている。
そのために厳しい練習をしている」とヤングさんは意気込む。

来日当初は、上下関係や礼儀作法、剣道の精神論などが
全く理解できなかった。
「米国では、『正しい剣道で勝つ』という考えを意識したことはなく、
勝てばいいと思っていた。カルチャーショックを受けた」
今では、「ただ当てるだけ、パワーやスピードがあるだけでは勝てない。
剣道には、相手を尊重するなど、日本の文化が混じっている。
それを分からないと、面白くないという考えに変わってきた」
その言葉には、貪欲に剣道を学ぼうとする姿勢が浮かび上がる。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/archive/news/2009/08/15/20090815ddm035050116000c.html

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