2009年9月2日水曜日

免疫異常起こす細胞発見 HAMの治療法開発期待

(2009年8月24日 共同通信社)

成人T細胞白血病ウイルス(HTLV1)が原因で発症し、
歩行障害などが出る免疫異常疾患の脊髄症(HAM)について、
免疫異常を引き起こす特定の感染細胞を、
山野嘉久・聖マリアンナ医大准教授(神経免疫学)らが発見、
「THAM細胞」と命名、
米科学誌プロスワン(電子版)に発表(5日付)。

山野准教授は、「HTLV1が感染する細胞の中でも、
THAMだけを破壊する治療法を開発できれば、
少ない副作用で病状を改善できるはずだ」

THAM細胞は、リンパ球の一種であるT細胞のうち、
CCR4というタンパク質を持つ特定の種類が
ウイルス感染によって変化したもの。

本来は出さない炎症性の物質インターフェロン・ガンマを放出、
脊髄損傷につながっている。

HAMは、免疫系が過剰に働いて自分の脊髄を傷つけてしまう
自己免疫疾患の一種と考えられ、根本的な治療法は確立されず、
国が研究を後押しする難治性疾患に指定。

HTLV1は、主に母乳を通じて母子感染、
全国に推計約108万人の感染者。
数十年の潜伏期間を経て、3~5%が成人T細胞白血病を発症、
患者団体によると、HAMの患者は全国に約1500人いる。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/24/106241/

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