(毎日 8月29日)
剣道を武道として国際的に普及するため、
全日本剣道連盟が近年力を入れているのが、審判員の強化。
全剣連常任理事の村上済審判委員長は、
「審判が良くなれば、剣道の質も是正できる」と
審判の正しい判断と、選手のレベルの向上は表裏一体。
竹刀が打突部位に当たっただけで一本と判断されたり、
つばぜり合いで時間稼ぎをするようなことが見過ごされれば、
選手の力も向上せず、試合の質も落ちる。
世界選手権では、日本人以外も審判を務める。
主審1人、副審2人の3人が選手を区別する赤と白の旗を持ち、
技が決まった時に上げる。
レベルの高い試合を経験している日本の審判に比べれば、
審判としての目が劣る場合も。
過去の大会では、他の審判につられて旗を上げたり、
日本人選手の速い竹刀さばきに目が追いつかず、
一本を見逃すこともあった。
ある日本の選手は、「きわどい技を出した時、
反対の旗が上がるのではという不安もあった」
97年の第10回世界選手権から、審判講習会が始まった。
米国、欧州、アジアの三つのゾーンに分かれ、
各ゾーンに全剣連が指導員を派遣。
ブラジルで世界選手権(28~30日)が開かれる今年は、
5月に千葉・成田で14カ国・地域の審判36人を集めて講習会を開催。
模擬試合で、旗の上げ方や審判の立ち位置などの基本的な動作や、
旗を上げるタイミングを見極める。
3人の判断が分かれた場合、その理由を審判に問い、
他の審判員を含めて話し合う。
審判泣かせは、「グレーゾーン」と言われるケース。
竹刀が打突部位に当たっても、試合の流れや打った時の体勢などで、
有効打突として判断できるかどうか変わる。
村上委員長は、「3人が気持ちを合わせることが必要。
判断が分かれれば、選手に不安感を与える。
各審判が確信を持って旗を上げられるようにしなければいけない」と、
強化の必要性を訴える。
日本の審判の一人は、「審判によって、勝敗に影響を及ぼすことも
あったが、徐々に講習会の成果が出て、
武道としての剣道に戻ってきている。
今大会は、良い試合になると思う」
26日、ブラジルで講習会を行い、審判も最後の仕上げをして
世界選手権に臨んでいる。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2009/08/29/20090829ddm035050160000c.html
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