2009年9月3日木曜日

インタビュー・環境戦略を語る:ビックカメラ・宮嶋宏幸社長

(毎日 8月24日)

政府のエコポイント制度が追い風となり、
省エネ家電の普及が本格化。
家電業界で、ビックカメラは昨年、環境省から
「エコ・ファースト企業」第1号に認定、環境対策に熱心に取り組んでいる。
同社の宮嶋宏幸社長に、具体的な取り組みを聞いた。

--家電量販店は以前、派手な電飾で多くの電力を消費。

◆私が入社した80年代前半、1店舗の外壁の装飾に
1万2000個の電球を使うなど、省エネの意識がなかった。
現在は順次、長寿命で消費電力が少ないLEDに切り替え。
点灯時刻も、日没時刻を参考に、月ごとに設定を変えている。
店内照明は、消費電力の少ない「Hf蛍光灯」の導入を始めた。

--環境を意識し始めたのはいつごろ?

◆01年、家電リサイクル法がきっかけ。
電機メーカーなどから出資を受け、リサイクル会社を設立、
05年に廃棄家電の回収、解体、仕分けを行い、
資源として再利用する体制が整った。
06年、中古パソコン販売を主力とするソフマップを子会社化し、
リユース(再利用)を強化。
新品の販売から回収、再販売、再資源化まで手がける。

--「エコ・ファースト企業」に認定され1年。

◆業界のトップランナーとして、地球温暖化防止に取り組むことを
環境相に約束した。
具体的には、カラフルな買い物袋をやめ、光沢のない
無漂白の再生紙を使った紙袋に切り替えた。
薄型テレビ、冷蔵庫、照明器具などの約30%は常時電源を切り、
客の要望があった時につける「エコ展示」も始めた。
見栄えが悪くなり、売り上げが落ちるとの懸念もあったが、
実際には落ちず、客からはお褒めの言葉をいただいている。

--消費者の環境意識を高める取り組みも。

◆当社は、政府のエコポイント制度が始まる1年以上前、
省エネ性能が高い製品を購入すると、ポイント還元率をアップさせる
キャンペーンを実施。
昨年から、プロ野球球団やJリーグのチームと組み、
試合会場で携帯電話の回収を呼びかけている。
京都店では、京都大が開発した電気自動車を展示するイベントを展開。
07年、10年までにCO2排出量を06年比で4%削減する目標を立て、
08年度だけで10・26%削減できた。

--今後、取り組みたいことは?

◆「エコ・ファースト企業」には、日産自動車やキリンビール、ユニーなど、
当社を含め25社が認定。
業界の垣根を越えて、共同の取り組みができないか模索。
省資源の観点から、取扱説明書の薄型化や廃止を
メーカーに働きかけたい。
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◇みやじま・ひろゆき

法政大文卒。84年ビックカメラ入社。
渋谷東口店長、営業部長兼池袋本店長、人事部長、営業本部長、
専務兼商品本部長などを経て05年から現職。
長野県出身。49歳。

http://mainichi.jp/life/ecology/archive/news/2009/08/20090824ddm008020015000c.html

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