2009年8月31日月曜日

ミトコンドリア病防止に道 卵子段階でDNA置換 米国のチーム、サルで成功

(2009年8月27日 毎日新聞社)

遺伝性の難病、「ミトコンドリア病」の原因となる
異常ミトコンドリアDNAを、卵子の段階で遺伝しないよう
置き換える技術を、米オレゴン健康科学大などの研究チームが開発、
その技術を使って、アカゲザルの子どもを誕生させることに成功。

約5000人に1人と言われる同疾患の防止につながる可能性。
26日、英科学誌「ネイチャー」(電子版)に発表。

生物の遺伝情報が書き込まれたDNAは、
染色体として細胞の核の中に存在。
核外の細胞質にある小器官「ミトコンドリア」にもDNAがあり、
この異常が心臓や脳などの機能障害を引き起こす。

チームは、ミトコンドリア病が原則として女性だけから遺伝することに着目。
アカゲザルの成熟した卵子から、核の染色体を包み込んだ
「紡錘体」を取り出し、別のメスの卵子から紡錘体を
抜いたものに入れ、融合させた。

その卵子を受精させて子宮に移植した結果、4月に双子が誕生、
その後2匹が生まれた。
4匹とも健康で、元のメスのミトコンドリアDNAは受け継いでいなかった。

同大オレゴン霊長類研究所の立花眞仁研究員は、
「人に応用するには、第三者からの卵子提供が必要になるなど
課題があるが、将来、ミトコンドリア病の遺伝を防止する
一つの選択肢となる可能性がある」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/27/106487/

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