2009年9月5日土曜日

ミドリムシ:火発の排ガスで培養 温暖化対策に新技術

(毎日 8月30日)

動物と植物の中間的性質を持つ単細胞生物「ミドリムシ」を、
多量のCO2を含む火力発電所の排ガスを使って培養することに、
バイオベンチャー企業「ユーグレナ」が成功。

同社は、ミドリムシからバイオ燃料を作る技術も開発中で、
排ガスのCO2を減らし、代替燃料を作る新たな温暖化対策として注目。

ミドリムシは、体長約0・1ミリ、水田などにすむ。
光合成により、CO2を吸収する植物の性質を持ちつつ、
鞭毛という器官で動物のように動く。
光合成能力が高いのが特徴で、熱帯雨林の数十倍に。

同社は05年、沖縄県石垣市に食用可能なミドリムシの
大量培養施設を世界で初めて建設。
ミドリムシを素材にした健康補助食品やクッキーを製造、販売。

今年6月、沖縄電力金武火力発電所(沖縄県金武町)で、
煙突から出る直前の排ガスを、ミドリムシの培養槽に吹き込む実験。

排ガスは、CO2濃度が大気の400倍近い約15%。
ガスを入れた培養液は酸性になり、大半の生物は生きられないが、
ミドリムシは順調に成長。
増殖速度は、空気を通した場合の最大20倍。
排ガス中の豊富なCO2で光合成をし、増殖した。

ミドリムシなどの藻類は、細胞内に脂質が多く、
細胞を壊して化学処理すれば、良質なバイオディーゼル燃料に。
同社は、培養したミドリムシからバイオ燃料を作り、
発電などに利用、その排ガスで再度ミドリムシを培養--
という循環システムの開発を目指す。

出雲充社長は、「ミドリムシが、高CO2濃度のガス中でも育つと証明。
CO2削減と炭素循環型社会の実現を進めたい」

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/08/30/20090830ddm003040135000c.html

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