(日経 3月31日)
盛田氏が2003年に設立したファンドは、
有望なジュニア選手を毎年米国に留学。
元プロ選手でコーチの坂井利郎氏や丸山薫氏が、
小学校5年生から中学校1年生までの有望なジュニア選手を選ぶ
選考会を開いている。
選ばれた選手は、プロ選手を育てている
米ニック・ボロテリーテニスアカデミー(IMGアカデミー、フロリダ州)に派遣。
友人のマーク・マコーマック氏が創業した米IMG傘下の養成所で、
マリア・シャラポワ選手ら多くのトッププロが卒業生。
年間数十万ドルになるファンドの運用益を、選抜ジュニアの渡航費や
コーチ代などに充てている。
これまで13人を派遣、4期生に錦織圭選手がいた。
彼は、小学生の時から全国大会で優勝するなどの実績があったが、
留学した時に世界で通用するかどうかは正直言って分からなかった。
IMGアカデミーには、世界中のジュニアが留学、
日本人でトッププロとして成功した例はなかった。
成功するかどうかは、環境やコーチとの相性もある。
IMGで成功しなくても、他の環境ならうまくいく場合も。
親のサポートもそれぞれ異なる。
杉山愛選手は母親、シャラポワ選手は父親のサポートが大きいが、
伊達公子選手のように自分で管理できる人もいる。
人間は非常に複雑で、様々な条件がそろって初めて成長する。
決まったやり方があるわけではない。
13、14歳で親から離れて海外で1人で生活するのは、簡単なことではない。
ファンドからIMGに日本人のコーチを派遣し、
日本のジュニア選手を世話してもらっている。
錦織選手にとって、IMGにハラミロ氏という
優秀なヘッドコーチがいたことも幸運。
マネジャー的な仕事にも秀でた人物で、
成長段階に応じて専任コーチを代えるなど、選手をトータルでうまく管理。
IMGには、全世界から300-350人のジュニア選手が集まって練習。
錦織選手のように、特待生に選ばれるのはほんの一握り。
特待生に選ばれ、初めてIMGの真価が発揮。
特待生は、世界最高水準のトレーニングを受けられる。
精神面やメディア対応などを訓練する機会もある。
特待生に選ばれなければ、帰国して日本のコーチが育成した方が、
むしろ一生懸命育ててくれる。
試行錯誤しながら1つ1つ実行していったら、
錦織選手のような世界に通用する選手が出てきた。
もちろん1人だけでは満足していない。
今は、錦織選手の次のジュニア選手をどう育てるかで、頭の中が一杯。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/hiroku/hir090330.html
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