(日経 4月10日)
◆陳 虹氏
1984年同済大工業自動化卒、上海汽車トラクター工業聯営に入社。
上海大衆汽車(上海VW)エンジン工場総経理、
上海通用汽車(上海GM)総経理などを経て現職。48歳。
◆上海汽車集団
中国の自動車最大手。
2008年の販売台数は前年比8%増の182万6000台。
独フォルクスワーゲン(VW)、米ゼネラル・モーターズ(GM)などと
合弁事業を手掛け、販売の大半は海外ブランド車。
「栄威」など自主ブランド車にも力を入れている。
世界の有力自動車市場のなかで唯一、成長を続ける中国。
世界景気の急速な冷え込みの影響を受け、昨年後半には失速したが、
政府のてこ入れで再び息を吹き返し始めている。
上海汽車集団(上海市)の陳虹総裁に、
今後の中国自動車市場の動向や戦略などについて聞いた。
——最近の自動車販売市場の状況は?
「中国政府が、農村での自動車購入への補助金支給や購入にかかる
税金の減免など、自動車産業の振興策を相次いで実施したことで、
直接的に好影響が出ている。
ガソリン価格の引き下げもプラスに。
日々の自動車販売台数は増加傾向に」
——国際的な金融危機や中国経済の成長減速の影響は?
「金融危機の影響を大きく受けたのは、韓国のグループ会社、双竜自動車。
販売台数が大幅に落ち込み、破産に至ってしまった。
関係者の会議で、再生計画について議論する」
「危機のなかにチャンスがある。
市場の変化に注意を払いながら発展の機会をつかみ、
逆境のなかで成長の糧を発見して育てていく。
私たちは、コストを下げて効率を高める努力をしている。
損益分岐点を下げ、市場の厳しさに挑戦していくつもり」
——今後の事業展開の方針は?
「昨年の販売台数は、前年比8%増の182万6000台で国内トップを維持。
今年の国内市場全体は、基本的に昨年とほぼ同水準で推移。
我々の目標は、昨年よりも販売台数を少しでも増やし、
シェア拡大を狙っていくこと」
——自主ブランド車はどう伸ばすか?
「まずは販売に力を入れ、品質やアフターサービスなども向上して
ブランドイメージを高める。
今年の販売台数は、昨年実績比4割増の5万台を目指す。
環境対応も強化し、3年以内に自主ブランドのハイブリッド車を市場に投入」
——企業買収や合併などを進めていく考えは?
「現時点では、企業買収や合併などは考えていない。
私たちの課題は、国内シェアを高めること。
国際的な自動車業界の変化を注視し、
適切な機会があれば捕らえていくつもり」
「中国の自動車メーカーの競争力はまだまだ低く、
グローバル展開する世界大手との競争は非現実的。
私たちにも有利な点がある。
国内市場や消費者の動向を熟知し、コスト競争力では負けないと自負」
「他社の優秀なところを勉強したうえで自分の得意分野を磨き上げ、
低コスト体質を十分に利用することが大切。
新エネルギー車の開発を強化し、自主ブランドに創造性を加えれば
十分な競争力を持つことができる」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090409.html
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