2009年4月25日土曜日

スポーツ21世紀:新しい波/299 市民マラソン熱/7

(毎日 4月11日)

札幌市白石区で居酒屋を営む日景一雄さん(62)は、
毎日の仕込みの前、近くの公園を2~3時間走る。
もう10年以上も最高の舞台と位置付けるのは、
国内の湖で3番目の広さの北海道・サロマ湖をほぼ一周する
「サロマ湖100キロウルトラマラソン」(今年は6月28日)。
24回目を迎える大会で、12回目の完走を目指す。

50代前半からは、心臓病と闘いながら走り続ける日景さん。
「長く病と付き合い、体を知りきっているからこそできる挑戦。
これが生きる力を支えていると感じる」
そんなランニング哲学を聞こうと、店には北海道内外から客が訪れる。

フル(42・195キロ)を超える大会は「ウルトラ」と呼ばれ、
北は利尻島(北海道)、南は宮古島(沖縄)まで、全国で50大会を超え、
新設も相次ぐ。
老舗的な位置づけのサロマは今年、定員を大幅に増やし、
3月の締め切りまでに「50キロの部」を含め3957人が応募。
10年間で規模は2倍。

ウルトラは、フル、ハーフの大会に比べ、参加者の年齢層は高めで、
40~70代の中高年が7割を占める。

国内外で数々のウルトラの大会を運営し、普及に貢献してきた
海宝道義さん(65)=東京都町田市=は、
「若い層が増えたのが最近の特徴だが、それでも完走率は中高年が高い。
年齢を重ね、多くの経験を経たほど、丸一日楽しむことができる

今年5月24日、大阪城公園を発着点に淀川河川敷を走る
新しい大会が産声を上げる。「水都大阪ウルトラマラニック」。
大阪城を拠点に練習会を開くクラブが主催し、
100キロと70キロの部合わせて300人の定員は応募開始直後に突破。
急きょ増員したが、1000件にも上った問い合わせの多くには
応えきれない人気だった。

実行委員長の佐田富美枝さんは、
驚いたのは、ウルトラに初めて挑む若い層が多かったこと。
北海道や沖縄まで遠征できない層にも、ウルトラの楽しさに触れてほしい」
レース終盤のエイドステーションにたこ焼きを用意し、
大阪の地域性を強調する予定。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

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