(日経 4月15日)
◆郭 為氏(かく・い)
1988年中国科学院修士号取得、聯想集団(レノボ・グループ)入社。
97年から執行役員兼上級副社長。
2000年から聯想神州数碼(現・神州数碼控股)総裁。
01年の聯想集団からの分離独立後も総裁などを務め、
07年から会長(取締役会主席)。46歳。
◆神州数碼控股(デジタル・チャイナ)
2001年、中国パソコン最大手、聯想集団(レノボ・グループ)から分離独立。
パソコンやサーバーなどIT製品の販売やシステム構築などの
ITサービスを手掛ける。政府や金融機関向けに強い。
08年3月期の売上高は352億香港ドル(約4460億円)、
純利益は4億香港ドル(約51億円)。本部北京市。
2ケタ成長が続いてきたIT(情報技術)業界。
中小企業にすそ野が広がり、中国の雇用を支えてきたが、
世界的な不況の影響を受けて減速傾向が出ている。
システム構築などを手掛ける神州数碼控股(デジタル・チャイナ)の
郭為会長に、IT業界の動向や経営戦略などを聞いた。
——中国のIT業界の動向は?
「金融機関向けなどのシステム構築でも、金融危機の影響は出ているが、
IT分野の需要は大きく、これからも確実に成長は続く。
我々の収入は、2007年は前年比30%増、08年は25%増、
今年は10%前後増えると個人的にはみている」
——海外市場を開拓する考えはあるか?
「中国市場の成長が続くと考えており、今のところ海外市場に
進出する考えはない。
米ヒューレット・パッカード(HP)や東芝など、海外企業と取引関係がある。
海外企業との協力関係を強化して、中国市場のニーズを
しっかりとつかんでいくことに重点を置く」
——多くの中小企業がIT業界を支えているが、中小の経営状況はどうか?
「非常に資金繰りが厳しい。
政府の金融支援策で、大量の資金が流れ込んできてはいるが、
中小企業向けの割合は少ない。
銀行は、相変わらず中小企業に対する貸し出しに慎重な姿勢。
優良な取引企業に対して、我々が実質的な融資をしているというのが実情」
「中国経済の国内総生産に占める中小企業の比率は6割で、
納税に占める割合は5割。
国有企業の退職者の8割が中小企業に再就職。
こんなに貢献度が大きいのに、金融機関の中小企業向け融資の
比率は15%に過ぎない」
——どのような対策が必要か?
「専門の『産業銀行』を設立するべき。
IT企業を含め、中小企業の重要な資産は人材であり、知的財産権だ。
建物などの担保となる固定資産がないから、
既存の金融機関は融資に慎重だが、専門の『産業銀行』は
人材などをしっかり評価して、融資をできるようにするべき」
「政府と中堅・中小企業、金融機関が協力を深める必要。
『専門銀行』は、政府の支援を受けて、専門の中小企業を育成する
ファンドを設置すべき。
中小企業向け融資を増やすだけでなく、中小企業の連携を
強化する役割を担うべき」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090413_2.html
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