2009年4月20日月曜日

「グランドスラム」への扉(7)盛田正明氏 テニスに気分転換の効用

(日経 3月19日)

盛田氏は1976年、ソニー常務に就任。
役員になってから、海外に出張する機会が急に増えた。

ソニーは通訳を付けてくれないため、海外では朝から晩まで英語漬け。
1日の予定が終わってぐったりしていると、
米国人らは気を使って夕食に誘ってくれる。
気持ちはありがたいのだが、仕事が終わっても、
英語を話し続けなければならないのは憂うつ。

ある日、会議が終わった後、夕食までの空いた時間に
同僚とテニスをしようということになった。
何も考えず、ボールを打つことだけに集中していると頭がスカッとした。
これは大発見だった。

「テニスは、頭をリフレッシュする薬だ」と分かってからは、
海外出張にラケットを持参するようになった。
私のテニス好きが知られるようになると、現地の同僚や取引先も
朝や会議の後にテニスをセッティングしてくれるようになった。

常務時代、盛田氏は後に親友となる米国人と出会う。
ある日、スポーツマーケティング最大手であるIMGを創業した
マーク・マコーマック氏が、ソニーの本社を訪ねてきた。
マコーマック氏は、大学時代の友人であるプロゴルファー、
アーノルド・パーマー氏のマネジャーとして出発し、
スポーツビジネスを開拓した第一人者。

最初は、典型的な米国人ビジネスマンという印象。
日本でも、ゴルフのトーナメントが増え始めた時期で、
マコーマック氏はソニーにスポンサーになってくれという話。

「ソニーは、他がやるようなことはやらない」と提案はすべて断っていた。
彼はあきらめず、来日するたびに面会を申し込んできた。
彼とはウマがあった。
お互いテニスをすることを知ってからは、来日した時は朝7時にテニスをし、
仕事をした後、夜に食事をするという関係が続いた。

彼はスポーツマーケティングの分野で、
ソニーのように世界一になりたいと考えていた。

誰もやっていないという理由で、初めて一緒にした仕事が
世界ゴルフランキングシステムの開発。
当時、全世界をカバーするプロゴルファーのランキングシステムは無かった。

米国や欧州など各国の賞金ランキングを統合し、
ソニーの社名を冠した「ソニー・ワールド・ゴルフ・ランキング」を
IMGと立ち上げた。
このランキングは現在も続いているが、スポンサーから降りてしまったため、
今はソニーの冠は付いていない。

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/hiroku/hir090318.html

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