2008年6月18日水曜日

毎日100%果汁を飲む小児はより良い栄養摂取ができる可能性

(Medscape 6月2日)

100%果汁を毎日摂取する2-11歳の小児は、
過体重または肥満のリスクが上昇することなく、
より良い栄養摂取ができることを示す横断的研究の結果が
『Archives of Pediatrics & Adolescent Medicine』に報告。

ベイラー医科大学(ヒューストン)のTheresa A. Nicklasらは、
「全国標本を用いた最近の諸研究では、
100%果汁の摂取と体重との間に関係はないことが示されている」

「この研究の2つの目的は、2-11歳の全国を代表する小児の標本に、
100%果汁の摂取が(1)栄養摂取と食品群、(2)体重の状態に
影響を及ぼすかどうかを明らかにする」

National Health and Nutrition Examination Survey (1999-2002)
のデータの二次解析において、2-11歳の小児3618例を対象に
果汁の摂取について検討。
果汁の1日の平均摂取量は4.1液量オンス(約121mL)、
平均エネルギー価は58キロカロリー、全エネルギー摂取量の3.3%に相当。

100%果汁を飲む小児は、100%果汁を飲まない小児と比較し、
エネルギー、炭水化物、ビタミンC、ビタミンB6、カリウム、リボフラビン、
マグネシウム、鉄、葉酸の摂取量が有意に多く、
総脂質、飽和脂肪酸、任意摂取の脂質(discretionary fat)、
添加した砂糖の摂取量が有意に少ない。

100%果汁を摂取した小児は、摂取しない小児より、
全ての果物の皿数も有意に多い。

過体重である可能性について、
果汁摂取者と非摂取者との間に有意差なし。
「小児が摂取した100%果汁の量は、米国小児科学会(AAP)が推奨する
100%果汁の最大量に満たなかった。
2-11歳の小児では、100%果汁の摂取は非摂取より優れた栄養摂取と関連、
体重の状態や過体重である可能性とは関連しなかった」

研究の限界として、因果関係の判断を除外した横断的デザイン、
エネルギー摂取の過小報告または過大報告の可能性、
その他の報告上のミスが挙げられる。

「総合的健康食の一部としての100%果汁の摂取は、
その栄養学的利点に基づいて奨励されるべき。
科学的エビデンスの重要性は、100%果汁摂取の栄養学的利益を
明らかに裏付け、小児における過体重と100%果汁摂取との
関係を裏付けていない」

出典Arch Pediatr Adolesc Med. 2008;162:557-565.

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=SPECIALTY&categoryId=580&articleLang=ja&articleId=74700

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