2008年6月18日水曜日

カキ殻活用で壁材開発 シックハウスに効果

(岩手日報 6月7日)

岩手大の河田裕樹教授と、大船渡市の建設コンサルタント業
菊池技研コンサルタント(菊池透社長)は、
シックハウス症候群の原因物質ホルムアルデヒドや
たばこから出る化学物質を吸着、分解する壁材の開発に成功。

水産廃棄物のカキ殻の吸着作用に着目し、有害物質を分解する
光触媒の酸化チタンなどを組み合わせることで実現。
最後の試験を行い、来春からの実用化を目指す。

気仙地区で、年間5千トンに及ぶ水産廃棄物・カキ殻の
有効利用を模索する中で生まれた。
カキ殻にある吸着作用のほか、有害化学物質を分解する
酸化チタンを素材に開発を始めた。

光触媒の酸化チタンは、電子の受け取りと供与どちらでも、
有害化学物質を分解する働きを持つ。
紫外線が当たることで、活性酸素などが発生し分解を進める仕組み。
紫外線は太陽光はもちろん、室内の蛍光灯でも可能。
大きな面積で使う壁材に使用することで、
より効果的な分解を進めることができる。

壁材は、シックハウス症候群の原因物質ホルムアルデヒドを吸着・分解、
たばこ臭の原因物質アセトアルデヒド、たばこのやにも完全に分解。

菊池技研コンサルタントの菊池喜清会長は、
「モニター調査などもう少し時間がかかりそうだが、
来年度には実用化できるよう進めたい」。

県内のカキ殻の廃棄物は年間、約7千トンにも及ぶ。
さまざまなリサイクル方法が模索されているが、
これといった方法はまだ確立されていない。

一方、国内のシックハウス症候群の対象者は約100万人。
河田教授は、「有効利用が難しいカキ殻と、光触媒を組み合わせることで
さまざまな効果が生まれた。
廃棄物のリサイクルと同時に環境浄化ができる技術」。

◆酸化チタンとは

代表的な光触媒活性物質。
紫外線が当たることで有害化学物質を分解し、親水性も発揮。
汚れ防止効果もあり、道路のガードレールや外壁材などにも使われる。
カビ、細菌の繁殖防止や大気汚染物質の分解作用で
売り出している商品も近年増えている。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080607_3

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