2008年6月17日火曜日

薄まると感じる酸っぱさ 酸味センサーの仕組み解明

(共同通信社 2008年6月9日)

強い酸味を感じる舌の細胞のセンサーは、
酸っぱさにすぐに反応するのではなく、
唾液などで酸味が薄まってから反応していることを、
自然科学研究機構・岡崎統合バイオサイエンスセンターの
研究チームが突き止めた。

今回の発見は、酸味のない食べ物を酸っぱく感じさせたり、
逆に強い酸味を酸っぱく感じさせなくしたりする調味料の開発などに
役立ちそう。欧州分子生物学機構速報誌(電子版)に発表。

このセンサーは、舌の細胞の表面にあるタンパク質の複合体
「PKDチャネル」で、強い酸味だけに反応。
弱い酸味のセンサーも別にあると考えられているが、まだ見つかっていない。

稲田仁・特任助教(分子細胞生理学)や富永真琴教授(同)らは、
PKDチャネルを持つ細胞で実験。
このセンサーが強い酸性にすぐに反応するのではなく、
酸性度が少し弱まった段階で反応することを確認。

基本的な味覚のうち、甘味と苦味、うま味は、
細胞の表面にあるセンサーが刺激にすぐに反応する仕組み。
塩味を感じるメカニズムはよく分かっていない。
酸味の感覚は、腐った食べ物など危険に対する防御システム。

稲田さんは、「強い酸味を感じて食べ物を吐き出した後も、
この仕組みなら酸っぱさが口の中で長く続くので、
危険に対する学習効果が大きくなる利点がある」。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=74679

0 件のコメント: