2008年6月17日火曜日

高校に出前講義 大船渡・北里大

(岩手日報 6月7日)

大船渡市の北里大海洋生命科学部(緒方武比古学部長)
本年度、高校に講師を派遣する「出前講義」を本格スタート。
高校生に、海洋生命科学の面白さを伝えると同時に、
同学部の志願者増にもつなげたい考え。
特に、全学生の2%に満たない本県出身者の拡大を目指す。

一時は移転論議もあった同大だが、
自治体との連携も加速しており、地域貢献活動を積極的に展開。
出前講義は、海洋生命科学部の教員が高校に出向き、
専門分野を分かりやすく講義する企画。
交通費や講師料などの経費は、同学部が負担。
昨年度は、試験的に本県の3校を含む全国17校で実施。

本年度からは講座数を12から16に増やし、
「ナマコの生態」や「クラゲの秘密」、「魚の成長メカニズム」など
メニューを拡充。
実施校も増やす方針で、東日本を中心に約1700校に
募集書類を送付。中でも、県内高校の利用を呼び掛けている。

高校生を対象にした「海洋生物科学シンポジウム」を、
10月に奥州市で開催することも決定。
毎週土曜日には、キャンパス見学会も開いている。

高校との連携を進める背景には、少子化による志願者減少。
同学部の志願者数は、2003年度入試の1267人をピークに減っており、
本年度は948人。
全学生770人のうち本県出身者は14人で、県内高校へのPRが課題。

旧水産学部は、北里大の全体改革の一環で移転が議論されていたが、
2年前に現在地での存続が決定。
これを機に、本年度から学部名称変更などの学部改革を行ったほか、
同大を運営する学校法人と県、釜石市が連携協定を締結し
バイオ関連の研究事業をスタート。
地元大船渡市とも連携協定を結ぶ方向で協議を進めている。

同学部広報委員長を務める高橋明義教授は、
「三陸をテーマに研究している本学にとって、
地元との連携は非常に重要。
高校へのアプローチを皮切りに、さまざまな貢献活動を考えており、
岩手出身学生の増加にもつなげたい」。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20080607_14

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