2008年6月21日土曜日

スポーツ21世紀:新しい波/271 バレー協会・個人登録制度/6

(毎日 6月14日)

部外者をシャットアウトして行われた東京都高体連女子バレーボール
専門部会の総会(4月13日)は、個人登録制度問題で揺れた。
矢面に立たされた松野下健部長(当時)は、何度も同じ言葉を繰り返した。
「私たちは、日本バレーボール協会(JVA)と友好協力関係にあります」

国内のバレーに関する活動を統括するJVAと、
高校スポーツを統括する全国高体連は別組織。
全国高体連バレー専門部は、JVAに加盟する立場にあり、
東京都高体連女子バレー専門部はその下部組織。

反対派は、「全国高体連は、JVAの下部組織なのか。
JVA(の個人登録制度導入)に従わないといけないのか」。

松野下部長は、「下部組織ではないが、友好協力関係にある」と答え、
「JVAの個人登録制度について、全国高体連バレー専門部が
協力することを決めた。私たちも制度に賛同し、順守する義務がある」。

「個人登録制度に反対する草の根バレーの会」の発起人の一人、
都立狛江高の佐藤甚一教諭は、「体育会系ならではの上意下達。
こう決まったんだから、黙って従えという態度だ」。
「もっと現場の意見を吸い上げ、制度に反対せよ」という

反対派教員の意見に、森田政行副部長は反論。
「現場の問題をまとめ、東京の代表として上部団体に改善は要望した。
新制度は完ぺきではないと思う。我々も疑心暗鬼、暗中模索。
だが、以前の制度ではJVAも限界だった」。

板挟みの苦しい胸中を訴えた。
東京は、今季の大会出場資格について、折衷策を採った。
JVA主催大会である全国高校総合体育大会、
全国高校選抜優勝大会などにつながる予選の出場選手は
個人登録を義務付け、それ以外の夏季大会などは、
個人登録していない選手も出場を認める。

松野下部長は、「個人登録してほしいが、『それでは大会に出場しない』
という人が現れては困るので」。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

0 件のコメント: