2008年6月8日日曜日

「津波の追憶」碑に刻む 新山神社鳥居跡地に建立吉浜の千葉組

(東海新報 5月29日)

薄らいでいく津波の教訓を後世に残そうと、
大船渡市三陸町吉浜中井の(株)千葉組(齊藤儀継社長)は、
昭和8年3月3日に襲来した昭和三陸大津波の恐ろしさを伝える
石碑「津波の追憶」を、24日のチリ地震津波記念日に合わせて、
新山神社参道入り口に建立。

旧浜街道沿いの参道入り口にあった石製の大鳥居は、
75年前の三陸大津波で被災、根元部分からポッキリ折れた。
吉浜海岸に堤防がなかった時代で、鳥居はのちに上方の現在地に移設、
壊れた土台部分の石は、道路沿いの草むらの中に残されたまま。
同社の千葉門治会長(77)は、「壊れた石の残骸が気になっていた。
地域と結びつきが深い神社の式年大祭も近づき、
何とかしたいと思っていた」。

石碑は、ヨコ140センチ、タテ120センチの自然石(地元の花崗岩)。
中央に黒御影石のプレート(80センチ×60センチ)をはめ込んだ。
新山神社の渡邊昭博宮司の母、八千代さん(98)らの記憶をもとに
『神社参道入口の鳥居が第二波で被災』、
『津波遡上高は碑頭より3メートル上と追想』、
『残骸としてここに鳥居の一部が存在する』などと刻んだ。

石碑の脇には、壊れた鳥居の一部を安置。
鳥居が実際にあった場所には、『旧鳥居跡地』と記した石柱も併せて建立。
「中国四川省の大地震もあり、改めて災害の教訓を心に刻みたい」。
追憶の碑は、津波の恐しさを現代に語りかけている。

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