2008年6月10日火曜日

活性酸素:除去の新たな仕組み発見 「老化遅らせる薬」に道?

(毎日 6月1日)

発がんや老化など有害な作用を持つ「活性酸素」を、
生物が除去する新たな仕組みを、
産業技術総合研究所関西センターなどのチームが見つけた。
将来、老化を遅らせる薬などの開発につながる可能性も。

同センターの中村努主任研究員と大阪大大学院工学研究科の
井上豪教授らは、微生物の一種「古細菌」が活性酸素除去に使う
たんぱく質を結晶として取り出した。
この結晶に、活性酸素の一種である「過酸化水素」を加えた。

活性酸素の分解過程で、どのような物質が生じているかを
詳細に調べるため、反応後の時間を少しずつ変え、
マイナス190度で凍結。反応が進まないように分析。

その結果、「スルフラン誘導体」という硫黄化合物が見つかった。
従来は、除去に関係しないと考えられていた物質で、
活性酸素を除去する新しい仕組み。

中村研究員によると、古細菌のたんぱく質に似たたんぱく質は
人体にもある。
反応を詳細に研究すれば、老化を遅らせる薬の開発にもつながる。
硫黄化合物の新たな合成法を開発できる可能性も。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/06/01/20080601ddm016040039000c.html

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