(日経 3月17日)
ラジオ講座やインターネットなどを活用し、自宅に居ながらにして
自己研さんに励む手法を紹介。
英会話教室「English Time!」を経営する川本佐奈恵さん。
専業主婦だった川本さんが、起業家となった原動力が、
NHKラジオの英語講座。
川本さんが英語を学び始めたのは、32歳の時。
何かスキルを身につけようと思ったのがきっかけ。
自由に使えるお金は少ないため、
授業料が高い英会話教室に通うのはあきらめた。
目を付けたのが、月数百円のテキ スト代だけで済むラジオ講座。
なぜ、テレビではなくラジオだったのか?
川本さんは、「語学は目で見るのではなく、耳で聞くもの」
映像を見ていると、何となくわかったつもりになってしまう。
講座をテープに録音し、何度も繰り返して聴いた上で、
間の取り方や抑揚、スピードなどを口に出してまねた。
「口の筋肉に、英語の発音方法を覚えさせた」のだ。
川本さんは、「文法は二の次でよい」と説く。
ラジオをまねて口に出していると、場面別に英語を話せるようになる。
その後に文法の勉強をすると、すんなりと理解できる。
次に着手したのは、「ディク テーション(書き取り)」。
ラジオ講座のテキストに掲載されていない世間話のような
やりとりを聴いて文字にする。
正確に書き取るには、文法力が試される。
「カリルアウトゥ」と聞こえても、文字に起こすと「カット・イット・アウ ト」と
書く必要がある。リスニング力も高まる。
カット・イット・アウトの「 ト」のように、「本来聞こえない音が聞こえるようになる」
川本さんは、今でも毎朝ノ ートに書いている。
時事英語を学びたい人には、ポッドキャス トなどを利用して
国際放送を聴くのも有効。
ディクテーションの要領でニュースのヘッドラインを書き取っていると、
政治や経済など専門用語を、英語でどう表現するのかがわかる。
自宅で勉強する際のネックとなるのが、続けることの難しさ。
ラジオ講座はペースメーカーの役割を果たしてくれるが、
多忙な日が続くと、テープを聴くのを後回しにしてしまいがち。
こうならないようにするには、「無理やりにでも時間をつくる」(川本さん)。
朝1時間早起きする、毎週土曜日の午前中は勉強の時間に充てる——。
こうした決まり事を習慣づければ、長続きする可能性が高くなる。
地道にコツコツ努力する姿勢が、在宅学習成功の最大の秘訣。
資格試験予備校の大原学園は、インターネットで講座を提供。
残業が日常化して学校に通う時間がとれない
ビジネスパーソンの支持を集めている。
対象は、公認会計士や税理士対策など19種類の講座。
東京・水道橋の校舎で行 った授業を収録、翌々日に配信。
いつでも何回でも繰り返して勉強できるのが利点。
講義の再生速度を1.5倍まで上げられるので、
分かりきっている部分をはしょることも可能。
板書内容や授業で使用した資料は、パソコンに取り込んで
自宅のプリンターで印刷できる。
以前は、DVDやカセットテープなどの媒体を使った通信教育だけだったが、
実際の授業が行われてから受講生の手元に届くまでに1カ月近く。
ネット配信ならば、タイムラグを短くでき、法改正や試験の傾向にあわせて
授業内容を変更できる。
サービスを開始した2001年、2000人程度だった年間利用者は、
現在では約8000人に増加。通学生が復習に利用する例も。
大原学園は、「時間を有効に使いたいビジネスパーソンに利用してほしい」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz090317_2.html
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