2009年3月28日土曜日

回想法で高齢者元気に 遠野の介護センター

(岩手日報 3月22日)

遠野市松崎町のとおぬっぷ在宅介護支援センター(金沢重俊理事長)は、
市立博物館で「民話の里・思い出サポーター事業」報告会。
お年寄りの認知症予防などを目的に、昔の思い出などを語り合い、
脳の活性化を促す「回想法」について、
2006年度から3年間の取り組みを紹介、さらなる普及へ意欲を高めた。
関係者ら約50人が出席。

回想法は、主に高齢者を対象とした心理療法の一つで、
米国の精神科医が提唱。
懐かしい思い出を語り合い、ほかの人に聞いてもらうことで、
人生を前向きにとらえ直すことにつながり、
認知症の予防や抑制が期待できる。

同センターソーシャルワーカーの本山潤一郎さん(28)は、
同センターが市や福祉施設、民生委員らと協力して取り組んだ
グループ回想法の事例を報告。

回想法研究の第一人者で、東洋大の野村豊子教授が講演。
同センターのグループ回想法は、高齢者8人が1組となり、
げたや火鉢、漬物たるなどの道具を手に取りながら、
子どものころや青春時代を回想する方法。

本山さんは、「回想で客観的な自分をとらえ直し、
生活が前向きに変化した参加者もいた。
聞き手などのスタッフも、地域の歴史などを知ることができ、
大変勉強になる」などと成果を挙げた。

同市の65歳以上人口は約1万人で、高齢化率は約33%。
1700人が要支援・介護認定者。

野村教授は、「回想は、高齢者にとって壊れにくい『生きがい』。
グループで回想法に取り組むことで、対人関係が広がり、
引きこもり対策にもつながる」

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090322_9

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