(2009年3月17日 WebMD)
社交上の飲酒は高齢者に対して、一緒に飲酒している若齢者よりも
大きな害を与えているようである。
高齢者は、アルコールがどのような影響を与えているのか理解している
可能性も低いことを、新規研究は示している。
『Journal of Studies on Alcohol and Drugs』で発表された研究では、
50 - 74歳の高齢被験者42例と25 - 35歳の若齢被験者26例について調査。
被験者は全員、社交上の飲酒者であり、非喫煙者。
各年齢群の一部には、中程度の量のアルコール飲料を飲ませ、
他の被験者にはプラセボとしてノンアルコール飲料を飲ませた。
被験者らは、それらを飲んでから25分後と75分後に試験を受けた。
試験では、文字と数字を順番に線で結ぶことを要求。
視覚と運動の協調、計画性、1つの課題から次の課題に移る能力を
評価することを目的。
被験者らは、自分がどのくらい酔っていると感じたか、
アルコールのせいで試験の成績がどのくらい悪くなったと思うかについても評価。
呼気中の最高アルコール濃度は、高齢飲酒者群と若齢飲酒者群で同様、
高齢飲酒群は試験を完了するのに若齢被験者よりも長い時間を要した。
年齢による成績の差は、非飲酒者においては発生しなかった。
ノンアルコール飲料を飲んだ高齢被験者と若齢被験者の間に差はなかった。
「もし車に乗っていてブレーキを踏む必要があるとしたら、
5秒というのは大きな差である」と、
フロリダ大学マックナイト脳研究所の精神医学、Sara Nixon教授。
「それは、事故を起こすか事故を起こさないかの違いとなる可能性がある」
高齢の飲酒者は、アルコール摂取の25分後の試験で、
自分の能力が低下していることを理解している可能性が低い。
高齢の飲酒者が、実際にはそうではないにもかかわらず
運転をしても大丈夫だと考える可能性があり、危険なことである。
アルコール摂取の75分後の試験では、高齢飲酒者は高齢非飲酒者と
同様の試験の成績であったが、より大きな能力低下を示した。
Nixon博士は、「夕食でアルコールを飲むなら、すぐに席を立ったりせず、
くつろいでデザートを食べなさい。しばらくの間運転をしてはならない」
高齢者のアルコール摂取は、大きな公衆衛生上の問題になる可能性が高い。
55歳以上の成人の半数以上が、社交上の飲酒をしている。
高齢者が人口に占める割合も、今後数十年間で急増する。
2030年までに、米国民の5人に1人は65歳以上。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/3/17/93812/
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