2009年3月24日火曜日

スポーツ21世紀:新しい波/295 市民マラソン熱/3

(毎日 3月14日)

柔らかい光が差し込むカピオラニ公園に、42・195キロを走りきった
ランナーたちが次々とゴール。
昨年12月14日のホノルル・マラソン。
そろいのランニングシャツ姿、「TEAMコニカミノルタ」も30人全員が完走。
複写機、プリンターなどOA機器大手として知られる持ち株会社
「コニカミノルタホールディングス」が公募して結成。

同社は、06年3月末のカメラ事業撤退で、消費者と直接接触する機会を
失った事情から、新たな社会貢献の手だてを模索。
同社の陸上競技部は、元日の全日本実業団対抗駅伝で01年以降、
3連覇を含んで優勝6回を誇る強豪。
「陸上のノウハウを社会に還元できないか」との発想、
06年に「ランニング・プロジェクト」がスタート。

ホノルルを走るランナーの公募は、08年で3回目。
毎年春以降に参加者を募り、意欲などを参考に数十人を選出。
10月、東京都内で行う参加者の合同トレーニングでは、
陸上競技部の現役選手、コーチが指導。
現地にも選手が同行し、直前の調整をアドバイス。

陸上競技部の練習拠点がある東京・多摩地域で、
市民向けのランニング教室を開催。
「ランニング・プロジェクト」のホームページでは、
初心者から3時間台を目指す層まで、3段階に分けて練習メニューを掲載、
ランナー向けの食事などの情報も提供。
ブームを受け、アクセスは月に10万ページビュー、開設当初の3倍に。

同社広報・ブランド推進部の松崎倫明課長代理は、
「ランニングには性別、年齢差を問わず、どの層にも訴えかけられる特性。
食事や健康、美しさへの欲求など、すそ野も広い」
その可能性の大きさに驚く。
陸上競技部の磯松大輔コーチ(35)は、「イベントと合宿予定日が重なるなど、
最初は抵抗もあった。教えることで、選手が学べる面も。
日本一の肩書があってこその役目だから、いいプレッシャーになる」

選手が挑む国内の主要大会では、ランニング教室参加者ら
市民が加わる自主的な応援も増えた。
市民とのかかわりは、選手にも相乗効果を生んでいるようだ。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

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