(読売 3月21日)
大学の現状に一般読者は驚き、関係者は教員の意識を問題に。
「学生に元気のある人は少ない。個人的に話を聞いてみると、
悩みや心の葛藤がある人が多い」
埼玉県在住で、36歳の自称“おっさん学生”からメール。
高校卒業後、専門学校を出て、団体職員などとして働いてきたが、
「経済の仕組みをもっと知りたいと思って、一念発起」
学業に悪戦苦闘、休み中はNPO活動に参加、
すでに就職活動も始めている立場。
「学生生活や就職活動に悩んでいる学生がいると思うが、可能性は無限。
出来ることから、少しずつやっていくのがいいと思う」と激励のメッセージも。
一方で、「学習意欲の低い学生、学問に拒絶意識の高い学生が、
なぜ学費を払って進学するのか疑問」と、高松市の主婦。
「学費を払う親御さんの気持ちになると、ため息しか出ない。
大学以外に何かないのか?
とにかく大学へ行けばいい、という意識を変える必要がある」
入学前教育の記事に対し、「大学とは、自ら学び問う所ではなかったのか。
いつから手取り足取りの勉強の場になったのか。
なぜ、学びの姿勢を小中学生にしっかり教えないのか」といった意見。
大学の体制や教員の意識を問題視する声も。
土持ゲーリー法一・弘前大学教授は、大学の抱える問題の根源に、
単位制度に対する理解の不十分さがあると指摘。
「単位制度は、講義とその倍の時間に当たる予習・復習から成り立っている。
講義のみで単位が与えられている現状はおかしい。
限られたエリート層しか大学に来なかった時代なら、
放置しておいても勉強しただろうが、全入時代はそうはいかない」
「米国でも、『大学の責務』とは何かが問い直されている。
『学生を育てるために、どれだけ努力をしているか』という教員側の視点ではなく、
学生にどれだけ力をつけられたか、という学習成果の視点に立った
説明責任が求められている」
ゼミの在り方についても、大学人から反響。
「最低限、ゼミで学ぶべきことを統一することはとても大切だが、難しい。
教員は、他からの干渉を何より嫌うからだ。
そのため、大学の教育改革が進まない」とある大学の准教授が嘆く。
「ゼミの中身とともに、どんな仕掛けを持っているかが問われている。
『学士力』が言われ出して数年たつが、学生を成長させるための
現場の変革は進んでいない。
結局、教職員自身を変えていく努力が何よりも必要」と訴える教授。
信州大学の松岡幸司准教授は、
「自分の授業をどのように改善していくか、ということに日々悩んでいる。
授業改善をしていく上で、記事の中の視点や発想が参考に。
問題意識を持つ教員の様々な事例に触れることで、
自分の抱えている問題を解決する糸口が見えてくることが多かった」
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090321-OYT8T00249.htm
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