(毎日 5月30日)
宮城県栗原市で、04年3月に発足した総合型地域スポーツクラブ
「しわひめスポーツクラブ」の菅原信行会長は振り返る。
「totoのせいで、町議会で詐欺師呼ばわりされた」
栗原市は、05年4月に旧栗原郡の10町村が合併して誕生、
クラブは同市の旧・志波姫町で産声を上げた。
初年度の運営資金として当て込んでいた
「スポーツ振興くじ助成金」が支給されなかった。
08年度、totoの売り上げは過去最高の897億円にまで達し、
今年度は17億円が総合型クラブの活動助成に充てられる見込み。
totoが販売不振にあえいでいた04年度当時、
総合型クラブに対する助成は、全国で3億8000万円に過ぎなかった。
菅原さんは、800万円の助成を申請。
これを当面の「運転資金」とすることを前提に、
町へもスポーツ振興を目的として運営費の補助を要請。
町議会でも承認されて、無事支給。
totoからの助成は、認められなかった。
結果的に「はしご」を外され、町に運営費の大半を求める形に。
多様な競技のチームが集う総合型クラブの創設は、
文部科学省が進めるスポーツ振興事業。
「『国策だから安全』と思って、各方面に理解を求めたが、
紙一枚に数行の通知で終わりだった」
08年度の売り上げ増大もあり、今年度は
「ほぼ要望通りの助成はできた」と、totoを運営する
日本スポーツ振興センターの助成課担当者。
助成期間はクラブ創設支援で2年、活動支援で5年と最大7年間。
これまで総合型クラブには国庫からの補助もあったが、
今年度からは大半がtotoの売上金に委ねられる。
過去の売り上げ推移を見れば、助成の安定供給に不安はぬぐえない。
ようやくクラブ運営が軌道に乗ってきた菅原さんは、
「売り上げ増によって、助成申請も増える。
しかし、totoの売り上げは今後も不透明。
国やセンターには対応を考えてほしい」
苦い経験がある分、totoの将来を楽観はしていない。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/news/20090530ddm035050134000c.html
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