2009年6月7日日曜日

外反母趾:幼児にも 大きな靴をはかせない 裸足になる環境を

(毎日 5月31日)

外反母趾など、大人の女性に多いと思われがちな足のトラブルが、
幼児や児童にもある。

足にあった靴をはいていないことや、
足の筋肉が鍛えられていないことが原因。
どう防いだらよいのだろう。

医師や靴の専門家でつくるNPOオーソティックスソサエティーとミズノが、
04年に千葉県船橋市の幼稚園児約200人の足を調べた。
ほぼ全員にあたる193人で、指に何らかの変形がみられた。

変形が最も多かったのは、小指で全体の7割以上、
薬指でも半数以上で変形があった。
外反母趾も約3%。

同じ園の05年調査では、指が地面につかない「浮き指」が、
約半数の子どもにみられた。
変形の多かった小指では7割以上が、薬指でも3割近くが浮き指。

幼児の足は軟骨が多く、外部からの影響を受けやすい。
大人は、足の甲の辺りに七つの骨があるが、
幼児期は数が少なく、全部そろうのは10歳ごろ。

同NPO理事長で整形外科医の内田俊彦さんは、
「幼児期に合わない靴をはき続けると、指が変形する。
靴のような覆いのない手の指は曲がらない」

曲がった指では踏ん張って立つことができず、バランスの悪い姿勢に。
肩こりや腰痛の原因になり、内臓などにも悪影響が及ぶ。
幼児の曲がった指は、大人の外反母趾のような痛みはないが、
放置すると本格的な「トラブル足」になる。

ではどう防ぐか?
大事なのは、サイズの合わない大きな靴を履かせない、
3、4カ月に1度は靴が適しているかチェックする、
家の中では裸足で過ごす。
足指じゃんけんなど、遊びながら指を開いたり閉じたりする運動も
指の変形防止に役立つ。

世田谷区立給田小学校(土橋稔校長、児童数820人)では、
1980年から裸足の外遊びを奨励。
校舎改築に伴い05年に休止したが、今年春に再開。
校庭近くなどに足洗い場を設け、60個以上の蛇口を付けた。
休み時間には、素足の子どもたちが校庭で、
大縄跳びやドッジボールなどを楽しむ。

甲府市のしらゆり幼稚園(数野朱美園長、園児数130人)は、
4月最終週から11月上旬まで裸足で通す。
数野三郎理事長は、「土踏まずがきちんと形成されるので、
直立姿勢のバランスが良く、長時間立っていられる」

玉川大学の野田雄二教授(運動学)は、
「裸足は、すべての指で体を支えるので小さな筋肉が鍛えられ、
下半身が安定する」
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◆子どもの靴の選び方

・足長(足の長さ)、足囲(甲まわり)、足幅をメジャーで測る。
・中敷きが取り出せ、ひもや面ファスナーのベルトで足幅が調節できる靴。
・中敷きに足を乗せ、つま先に5ミリ程度のゆとりを確認し、履かせる。
 子どもの足は、半年で5ミリ程度の成長なので、大き過ぎる靴を選ばない。
・「きつく」ても、サイズを大きくするのではなく、足幅が広いものに。
 サイズが合う靴は、心地よい締め付け感がある。
 締め付け感がないのは、サイズが大き過ぎる。

◆外反母趾の見つけ方と対処法

・紙に垂直に足を乗せる。
 ボールペンから芯の部分を取り出し、それを使って形をとる。
・足形の親指の付け根からまっすぐ線を伸ばし、内側に入っている
 親指部分との角度を測り、15度以上なら外反母趾。
・親指の付け根辺りから、足幅を締めるよう収縮性のある包帯を巻く。
 子どもの足は少しずつ修正されることも。

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2009/05/31/20090531ddm013100050000c.html

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