2009年6月20日土曜日

アルツハイマー病関連のたんぱく質、阪大グループ発見

(朝日 2009年6月10日)

アルツハイマー病に関係するとみられるたんぱく質を、
大阪大の研究グループが新たに見つけた。

このたんぱく質の量の変化を調べることで、
早期診断に利用できる可能性がある。
欧州分子生物学機構の学術誌(電子版)で10日発表。

脳神経細胞が死んでいくアルツハイマー病は、
体内で「アミロイドβ」というたんぱく質が増え、脳に老人斑と呼ばれる
特徴的な染みをつくる。
脳を守る脳脊髄液などから、このたんぱく質の量の変化を調べ、
診断につなげる研究が進んでいる。

多くが脳に蓄積されてしまうアミロイドβは、特に初期段階では
量の変化がわかりにくく、病気の早期発見が難しいことが課題。

阪大の大河内正康講師(精神医学)らは、脳に蓄積しない性質を持つ
「APL1β」というたんぱく質が、患者の脳脊髄液にあるのを発見。
このたんぱく質の増加と病気の進行度が一致。
このたんぱく質は、発症の少なくとも2~3年前から増え始める。
これを目印にすれば、アルツハイマー病の早期診断に使える可能性がある。

大河内さんは、「脳脊髄液は、腰に針を刺して採取する必要があるが、
診断自体はすでに実用化できるレベル。
早期診断が実現すれば、将来アルツハイマー病になるのを防いだり、
遅らせたりする治療法の開発にもつながるはず」

http://www.asahi.com/science/update/0610/OSK200906100026.html

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