2009年6月14日日曜日

職員の力(7)生活・マナー 側面支援

(読売 6月4日)

学生の生活習慣やマナーの指導でも、職員が活躍。

目玉焼き、ハム、野菜サラダ。
鳥取大学米子キャンパスの食堂で、医学部医学科の新入生
31人が朝食をとっていた。
井上貴央医学部長(57)ら教授や上級生も席を並べ、
勉強やサークル活動について質問を受けたり、アドバイスをしたり。
時計の針が8時半を指すと、一斉に教室へ向かった。

この催しは、新入生に無料で朝食を提供する「ふれあい朝食会」。
「朝食をしっかり食べて、しっかり学んでほしい」との狙いで、
2004年度から始めた。
鳥取大の新入生の8割は県外出身で、人脈づくりや
1時限目の出席率アップにも一役買っている。

メニューは、選べる主菜と、ご飯、みそ汁。
費用は1人分が300円、大学と大学生活協同組合連合会が負担。
1年生の上田康史さん(19)は、「1人暮らしを始めたばかり。
いつもは抜くことが多い朝食をしっかり食べられ、友達も増えた」と満足。

米子キャンパスのほか、地域学部など3学部を置く鳥取キャンパスで、
4月中にそれぞれ4日間実施。
職員十数人が、朝食券を回収したり、学生を席に誘導したりした。

鳥取キャンパスでの朝食会には、北嶋充学生部長(58)が
毎朝顔を出した。
「餅は餅屋で、生活面の支援は職員の出番。
積極的に学生に接触し、早めの問題解決を図っている」

本名俊正理事(63)は、「職員は、縁の下の力持ちではなく、
教員とともに表舞台に出てほしい」と期待。

「必要なのは、TPOをわきまえた身だしなみ」、
「美しい表情は心の中から」、
「相手の話に真摯な気持ちで耳を傾けることから、コミュニケーションは始まる」

実践女子大学は、1~4年の全学生に、礼儀作法や心構えを解説した
小冊子「マナーの実践」を配った。
進路指導を担当するキャリアセンターが、社会への巣立ちの第一歩となる
就職活動などに役立ててほしい、と独自に作成。

お辞儀の仕方、電話の受け答えの方法。
「マナー」と銘打ってはあるが、人生訓の色合いも濃い。
先輩が後輩に語りかける口調で、すてきな女性に近づくための
手助けをするという趣向。

生活科学部4年の水野絵夢さん(21)は、
「笑顔や前向きな考え方の大切さなど、卒業後も役立ちそう」

執筆したキャリアセンター次長の串崎扶美子さん(54)は、
同大の系列校に8年間通った卒業生。
旅行業界で15年以上働いた経歴を持ち、国際的なマナーにも精通。
串崎さんは、「学生が社会で花開いてほしい。
一職員として母のような気持ちで、できることをしただけ」

学業、生活の両面で、より質の高い学生を社会に送り出すため、
裏方の努力が続く。

◆キャリアセンター

就職や進学など、学生が進路を考えるためのサポートを行うために
大学が設置する部署。
キャリアアドバイザーなどと呼ばれる職員らが常駐し、
主に3、4年生を対象に就職情報の提供や履歴書の書き方、
面接の受け方などの支援、相談にあたる。
就職部などと呼ばれたこれまでの組織に比べ、
早い学年からキャリア教育を行う場合が多い。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090604-OYT8T00287.htm

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