2009年6月16日火曜日

誰よりも鍛え…三沢光晴さんが語った“本流”の妙技 清水満

(産経 6月15日)

何度か、NOAHのプロレスを見に行ったことがある。
いつも感心させられた。荒技をかける。
ソレに対する受け身が素晴らしい。美しい。
プロレスを“様式美”にしていた。

年間250日近い興行。
本当の殴り合いをするが、殴る方が真剣でも、
殴られる方が、“緩和”させる技を持つ。
プロレスは、技と体力と知力が究極に研ぎ澄まされた時に生み出される
限りなく美しい芸術品。
“ラフファイト”が好まれた時代があったが、
NOAHは保守本流のプロレスをしていた。
その中で、三沢光晴さんは、光り輝いていた。
いつも切れ味鋭いファイトを魅せてくれた。

たった一度だけ、話したことがあった。
ジャイアント馬場さんが亡くなり、全日本プロレスの方向性が
見えなくなった頃、三沢さんが同志をを引き連れNOAHの旗揚げ。
そんなとき、サンケイスポーツを訪ねてくれた。

「新しい団体ですが、本当のプロレスをやっていきたいと思っているんで、
よろしくお願いします」
いわゆる、本流プロレスの妙技を聞いた。

相手がかける技を、どうやってうまくかけられるか…。
これってすごい技術がいるんです。
いろいろなケースを設定して、体を鍛えておかなければなりません。
僕らの体の鍛え方は半端じゃないですよ。
はっきりいって、年間に2~3試合しかしない“格闘技”の方が
楽かもしれません」

誰よりも鍛え、状況判断が出来た人、
NOAHの社長として慕われてもいた。
それが…。嘘であって欲しい…。

冥福を祈りたい。

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