2009年6月15日月曜日

おなかの脂肪から神経細胞 京大、動物実験で成功

(朝日 2009年6月6日)

おなかの脂肪から取り出した幹細胞を、脳の中に入れて
神経細胞を作り出すことに、京都大学再生医科学研究所の
中村達雄准教授らが動物実験で成功。

脂肪の利用は負担が少ないため、将来、脳梗塞や脳腫瘍の
患者への再生医療の足がかりにしたい。
スイスの専門誌に発表。

脂肪の中には、体のさまざまな組織の細胞になりうる
幹細胞が含まれている。
幹細胞そのままでは移植に使えないが、
幹細胞を取り出してスポンジなどの「足場」にしみこませたものを、
傷ついた組織に移植、再生をめざす研究が世界中で進んでいる。

研究チームの中田顕研修員は、ラットのおなかの脂肪から幹細胞を
取り出し、コラーゲンでできた数ミリ角のスポンジにしみこませた。
幹細胞を大量にしみこませるため、3日間、幹細胞を培養しながら、
スポンジを回転させ続ける工夫をした。
このスポンジを、ラットの脳の中にあけた穴に移植。
1カ月後、幹細胞から神経細胞ができたことが確認。

今後、この神経細胞が回路を作るか、
ほかの種類の細胞が増えていないか、長期間、調べる。
チームは、脳腫瘍の手術後や脳梗塞などで欠けた部分を補う
治療法につなげる一歩にしたい。

http://www.asahi.com/science/update/0606/OSK200906060040.html

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