2008年6月27日金曜日

心筋細胞の分化促す、たんぱく質IGFBP-4発見 千葉大院教授ら、マウスで実験

(毎日新聞社 2008年6月17日)

心臓の形成に重要な働きをするたんぱく質を、
小室一成・千葉大大学院教授らが発見。

幹細胞の培養に使うと、10-20%の高い割合で心筋細胞が発生。
人にも存在し、重篤な心臓病の新たな治療法につながるか注目。

心筋細胞の再生には、人工多能性幹細胞(iPS細胞)や
胚性幹細胞(ES細胞)が注目。
だが、心筋細胞に分化する割合は1%程度。

研究チームは、心筋細胞への分化を促すたんぱく質が存在すると考えた。
マウスで実験した結果、「IGFBP-4」を幹細胞の培養に使うと、
10-20%の割合で心筋細胞が発生することを突き止めた。

孵化直後のオタマジャクシで、このたんぱく質の働きを止めると、
心臓が小さくなったり消滅することも分かった。

現在の重症心不全の治療は、薬物治療が主流だが、
生存率は5年で平均約50%。
心臓移植も国内で年間10例前後。
小室教授は、「このたんぱく質を使い、心筋細胞内の幹細胞を刺激し、
心筋の再生を可能にしたい」。
英科学誌ネイチャー電子版に発表。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=75499

0 件のコメント: