2008年6月25日水曜日

中国も自然を食いつぶす国に

(サイエンスポータル 2008年6月12日)

エコロジカル・フットプリントとは?
WWF(世界自然保護基金)ジャパンによると、
「ライフスタイルを支えるのに必要な農耕地等の面積の和」と説明。

NPO法人「エコロジカル・フットプリント・ジャパン」によると、
「私たち人間のエネルギー消費、食料、消費財などを面積に換算、
どれほどの土地が必要かを表すこと、
どれほど人間が自然環境に依存しているかを、わかりやすく伝える指標」。
あるエリアの経済活動の規模を、食料のための農牧地・海や
木材・紙供給・二酸化炭素吸収のための森林など、
エリア内だけでなく輸入品の生産に要するエリア外の面積も
足し合わせてヘクタールで表す。

「エリアで自然環境を踏みつけている面積=人間の足跡(フットプリント)」

1人当たりのエコロジカル・フットプリントが、
中国では1960年代から2003年時点で倍増、
国内の生態系が持続的に供給できる飲み水、農作物、木材などの
天然資源の2倍以上を必要。

「中国の環境と開発に関する国際協力委員会」(CCICED)とWWFの
共同委託研究に基づく報告書。
2003年の中国の1人当たりエコロジカル・フットプリントは、1.6ヘクタール。
ライフスタイルを支えるために必要な土地が、1.6ヘクタールということ。
この数字は、世界平均の2.2ヘクタールよりは小さい。

巨大な人口のため、1960年代までは、同国内の生物生産能力が
エコロジカル・フットプリントを上回っていたが、70年初めに逆転、
03年はエコロジカル・フットプリントの方が生物生産能力の倍にまで増大。

祝光耀CCICED事務局長は、「中国は、これからの20年が正念場。
持続可能な発展に切り替えられるかどうかが重要」。
中国の生物生産能力から見た輸入の総量は、4億8,000万ヘクタール、
輸出は3億5,000万ヘクタール。差し引き1億3,000万ヘクタールの入超、
これはドイツの生物生産能力に相当。

輸出入の相手国を見ると、輸入が多いのはカナダ、米国、インドネシア。
米国からは穀物、丸太、パルプが主な輸入品、
インドネシアもパルプが主、森林資源の外国依存が顕著。
輸出が多いのは日本、韓国、オーストラリア、米国で、
オーストラリアは紙、その他3国は毛織物、水産物が主要輸出品。

日本に関しては、輸入に比べ、輸出が極端に多く、
差し引き1,580万ヘクタール分のエコロジカル・フットプリントを
日本は中国に負担させているという結果。
日本の1人当たりエコロジカル・フットプリントは、4.4ヘクタールで
中国よりもはるかに高く、世界平均の倍。

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