(2009年6月19日 毎日新聞社)
子ども向けの遊具に代わり、高齢者の運動用に、
平均台や鉄棒などを設置する公園が増えている。
ボランティアなどを講師に迎えた運動教室も好評。
目標は、介護予防のための体力維持。
「5年後も今のまま」を合言葉に、
運動を習慣付けようという動きが広がっている。
大阪府の中央部、大阪、東大阪、八尾の3市にまたがる
府営久宝寺緑地。
高さ20センチの平均台や地面に足をつけたまま、
つかまることができる鉄棒などを設置した「健康広場」に、
毎月第2土曜日、50-80代の男女20-30人が集まる。
公園を管理する財団法人大阪府公園協会が開催している
「うんどう教室」。
同年配の指導員に従って、両手を広げながら「コ」の字形の
平均台の上を歩いたり、鉄棒にぶら下がって体をひねったり。
ゆっくりとした動きだが、約1時間の運動を終えると、
筋肉を使った実感が残る。
「うんどう教室」は、財団法人体力つくり指導協会
(03・5858・2200、http://www.tairyoku.or.jp)が93年から始めた。
田中喜代次・筑波大大学院教授(スポーツ医学)が監修した
専用の健康遊具と運動プログラムを使い、
講習を受けたボランティアの講師が指導に当たる。
高齢者の介護予防意識の高まりとともに、導入する自治体が増え、
現在22自治体51カ所の公園に広がっている。
運動は4種類。
転倒やふらつきを防止する運動や、肩こりを軽減する運動など、
高齢者が取り組みやすく、運動機能の維持につながるものを中心。
同協会の西城真人高齢者うんどう習慣化事業部長は、
「面倒がらずに習慣付けてもらえるよう、負荷が小さい運動ばかり」
種類も当初の13種類から、徐々に絞り込んだ。
名称を平仮名にしたのは、「筋力トレーニングなどの運動とは
違うイメージにしたかったから」
田中教授は、「指導員の講習では、高齢者の気持ちが
分かるかどうかも考える。
小学校と同じように、地域に常にある存在として定着してほしい」
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◆家庭でできる運動法
「うんどう教室」のプログラムは、健康遊具のない家庭でも
継続できるよう考案。
教室参加者が使用する「健康ノート」から、
家庭でできる運動方法を紹介。
いずれも1セット3回が基本。
◇つまずかないうんどう
<1>壁や柱に向かって、足の幅一足分空けた場所に立ち、
一方の足を肩幅を目安に真後ろに引く
<2>壁や柱に手をつきひじを伸ばし、前のひざを曲げながら、
おへそを前に出すようにしていく
<3>後ろのふくらはぎが張ったところで止め、10数える。
足を踏み替えて同様に行う
◇かいだんうんどう
<1>少しひざを曲げ、太ももが硬くなる感じを確認する
<2>太ももを触り、硬さを保ったまま姿勢を正す
<3>さらにお尻の穴を締めるよう意識する。
お尻を触りながらやるとより効果的
<4>そのまま緊張を保ち10数える
<5>息を吐いて力を抜き、リラックスする
◇ふらつかないうんどう
<1>気を付けの姿勢で中指を下へ向かって力を入れて伸ばす
<2>胸を張り、背筋が緊張したことを確認したら、おなかをへこませ、
腹筋(下腹部)に力を入れる
<3>太もも・お尻にも力を入れる(かいだんうんどう参照)
<4>すべての部分の緊張を保ち、10数える
<5>息を吐いて力を抜き、リラックスする
◇全身のびのびうんどう
<1>両手を上げ片方の手で、もう一方の手の親指をつかむ
<2>ひじをしっかり伸ばして、一度真上に伸び上がるように意識し、
息をゆっくり吐きながら、親指を引くよう上体を横に曲げ、体の脇を伸ばす
<3>息を吸いながら上体を起こし、反対の親指に持ち替えて同様に行う。
2~3回繰り返す
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/6/19/102443/
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