2009年6月28日日曜日

県立大船渡病院 がん診療「緩和ケアチーム」編成

(東海新報 6月16日)

県立大船渡病院(八島良幸院長)は、がん医療の専門的な知識や
技術を有する医師や看護師で、「緩和ケアチーム」を編成、
がん治療と並行して緩和ケアに力を入れている。

今年4月、厚労省の地域がん診療連携拠点病院に指定、
14日は市民公開講座を開催、一般への緩和ケアの周知に努めた。

緩和ケアチームは、同病院の村上雅彦緩和医療科長、
道又利第一精神科長、武田彩緩和ケア認定看護師の3人で構成。

平成19年から活動を開始、それぞれの専門性を発揮し、
常に連携を取りながらがん治療患者に緩和ケアを提供。
緩和ケア体制も整った地域がん診療連携拠点病院として、
緩和ケアを知ってもらうための市民公開講座が開かれ、
市民や医療関係者82人が熱心に聴講。

道又第一精神科長が、緩和ケアのキーワードの「心・体・絆」や、
健康が揺らぐと、うつ状態にもなる。
告知を受けた時から、お手伝いするのが緩和ケアであることを知って
活用してほしい」

村上緩和医療科長は、質の高いがん医療を提供することを
目標に定めたがん対策基本法の内容や、
「男性の2人に1人、女性の3人に1人が、一生のうちにがんと診断、
死亡率の1位に。
緩和ケアは、患者のつらさを和らげ、その人らしく過ごすためのサポートで、
患者を支える家族にも対応して行うもの

同病院で緩和ケアを受けている陸前高田市広田町の
元教育委員・吉田政彦さん(81)が体験談。

胃と肺のがん手術を経験し、胆管部に腫瘍を抱えて、
現在は通院して緩和ケアを受け、
「がんのことで頭がいっぱいになった時、四方山話をして助言や励ましを
頂き、ケアチームの存在は心強くありがたかった」、
ケアチームとの信頼関係が治療に役立ったこと、
夫を支える妻の壽子さんも、「思いを委ねたところ、
救われて安息を得ることができた」と家族の心境を語った。

患者が使用するタオル帽子や各種がんのパンフレットが会場に展示、
大船渡病院ボランティア会の畑中幹子さんも、病院支援の輪を広げる
活動について紹介。

聴講した大船渡高校一年の佐藤寿子さん(16)は薬剤師志望で、
「緩和ケアがあることによって変わると思いました」と
医療の現状を学んでいた。

県内では、がん患者を支援する岩手ホスピスの会や、
市民レベルで緩和ケアを学ぶ動きが始まっている。
緩和ケアでは、患者本人の痛みや吐き気、不安、いらだちなど
身心のつさらや、家族が抱えるつらさを和らげるため、
初期の段階から治療と並行して行われる。

同病院では、各種がんのパンフレットを手に取ってもらうため、
各階のエレベーター付近に置いており、緩和ケアチームの村上医療科長は
「市民の方々と一緒に、緩和ケアを学んでいきたい」、
10月には医師対象の研修も実施する予定。

http://www.tohkaishimpo.com/

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