(読売 6月18日)
宇宙・天文教育をより充実させようと、教師たちが情報交換。
発泡スチロールの玉を示しながら、
「この教材を使って、授業をしている先生はいますか?」と司会者。
参加者の一人が手を挙げ、「地球と月に見立てています。
子どもは、目に見える形で宇宙の大きさを示した方が興味を持つ」
宇宙航空研究開発機構主催のシンポジウム。
シンポの狙いは、宇宙教育を学校現場でより広めること。
地球と月のほかに、月探査衛星「かぐや」が月から撮影した
地球の画像を使った授業や、本物の宇宙食を使った授業など、
子どもに分かりやすく説明する実践例や教材がいくつも示された。
参加した教員や教材メーカーの社員らは、
積極的に授業を行う全国の先生たちの話を聞き、充実した様子。
青森市立造道中学校の三上敏彦教諭(40)は、
「自分の授業で、工夫してみようと思うこともたくさん浮かんできた」
大田区立小池小学校で理科支援員、和田直樹さん(48)。
本職は、宇宙関連メーカー勤務だが、子どもの通っている小学校で
理科の授業を手伝うようになり、子どもの卒業後も続けている。
和田さんは、宇宙機構が2004年度から始めた宇宙教育の
ボランティア指導者「宇宙教育リーダー」の認定も受けている。
授業など、学校現場に入る難しさを感じている。
「授業などを通じて知り合った学校の先生の紹介で、
新しい学校に入っていくことしか手だてがない」
「宇宙の自然現象や技術を、学校の教育現場に伝える橋渡し役が不足。
宇宙の教材は身近にたくさんあるのに、気づいていない先生が多い。
今後は、民間人も授業に協力しやすくできるように、
学校側の受け入れ体制を作ることが必要」
宇宙教育の充実は、高校でも求められている。
宇宙・天文分野を教える地学の選択は、現状では極めて少ないが、
2012年度の新学習指導要領により、履修の増加が予想。
新指導要領によると、高校理科は「地学基礎」、「物理基礎」など、
「基礎」の付く科目のうち3科目を選択してもよくなり、
文系を中心に地学の履修が増えそう。
文部科学省は、「宇宙・天文領域では、小中ともに新しい内容が
入っているので、高校側もそれに連携するようにした。
今までよりも、地学が選択しやすくなっている」(初等中等教育局)
今年から始まった教員免許更新の講習で、
天文・宇宙分野を扱う大学も多い。
学校の内と外の両方から、宇宙・天文教育を後押しする動き。
◆理科支援員
小学校5、6年の理科の授業で、観察や実験の手伝い、
準備や後片づけ、実験や授業計画の立案などを行う。
教員免許は不要で、教育学部や理系学部の大学生、大学院生、
退職教員などを想定。
独立行政法人科学技術振興機構が2007年度から行っている
委託事業で、教育委員会が公募で選ぶケースが多い。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090618-OYT8T00256.htm
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