(岩手日報 6月25日)
岩手大大学院工学研究科の成田榮一教授(62)は、
石こうや石灰、セメントなどの分野で優れた論文を発表した
研究者に贈られる、無機マテリアル学会の学術賞を受賞。
北東北では初めて。
成田教授は、「長年続けてきた研究が評価され、うれしい。
今後の励みにしたい」と決意を新たにする。
受賞した研究テーマは、「層状複水酸化物(LDH)のインターカレーション
(取り込み)特性を活用した機能性ナノ複合体の創製」
LDHは、環境に対する負荷が低いなどの理由から注目、
成田教授は約20年間研究を続けている。
LDHは、電荷の異なる2種類以上の金属イオンからなる水酸化物。
正電荷を持つ基本層と、負電荷を持つ陰イオンで構成する中間層が
交互に積層した構造を持つ。
成田教授は、LDHの最も大きな特色である「層間の陰イオン交換性」を研究。
最近まで不明だったアミノ酸のような両性イオンや、
糖のような非イオン性分子を取り込む仕組みを明らかに。
LDH層間に、機能性有機成分を取り込む研究も進めている。
肌に刺激を与えることがあるUV吸収物質を層間に取り込むと、
皮膚に直接触れることを防ぎ、肌への負担が少なくなる。
成田教授は、「細胞、病原体などに薬物を効果的に送り込む
ドラッグデリバリー材、環境浄化に使う新しい材料の研究をさらに進めたい」
無機マテリアル学会は、1950年「石こう研究会」として設立、
1995年に現在名に改称。
学術賞は、同会の会員歴8年以上の正会員が対象。
本年度は、成田教授を含め3人が選ばれた。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20090625_5
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