(毎日 7月4日)
スイス・ローザンヌで6月に開かれた
国際オリンピック委員会(IOC)理事会。
国際ソフトボール連盟(ISF)のドン・ポーター会長らは、
16年五輪での実施競技復帰へ向けたプレゼンテーションで、
普及面の説明に時間を割いた。
北京五輪で、延べ18万人の観客を動員し、
日本が米国を破った決勝のNHKの瞬間最高視聴率が47・7%
(関東地区、ビデオリサーチ調べ)に達したことや、
男子や車いす利用者にも競技者が広がっている点に加え、
アフリカや中東で、子どもや女性にチームスポーツの機会を
提供していることも強調。
五輪競技から外された一因は、国際的な普及に疑問符が付いたから。
ISF加盟国・地域は、96年アトランタ五輪での導入が決まった
91年の66から現在127に倍増したが、
国際大会では大差の試合も多く、上位国の顔ぶれは一定。
欧州では、野球とソフトボールで一つの協会を構成する国も多い。
ISFは、IOC総会がある10月までに、加盟数を150、
競技人口を1250万人に拡大したい意向だが、簡単ではない。
一方で明るい兆しも。
元日本代表監督の宇津木妙子さん(56)は、
日本協会の普及委員長として、アフリカ西海岸のガンビアを訪れた。
ガンビアは新しく協会を設立し、本格的な強化に乗り出している。
スポーツ指導者や教師、婦人警官らに実技指導した宇津木さんは、
そこで胸が熱くなる言葉を聞いた。
「北京での日本の戦いを見て、『このスポーツだ』と決めた。
国技として取り組みたい」
同国ソフトボール協会会長で、IOC委員である
ビートライス・アレンさんはそう話した。
IOCは、8月の理事会を経て、10月の総会で
16年五輪の実施競技を決める。
残された時間は少ないが、宇津木さんは
「ガンビアでは、歴史的スタートに立ち会えた。
各国が一枚岩となって、地道にやっていくしかない」と希望をつないでいる。
http://mainichi.jp/enta/sports/21century/
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