(2009年7月5日 毎日新聞社)
保育所や幼稚園、小学校でプールが始まった。
子どもの頭髪に寄生するシラミが気になる保護者も多いが、
感染ルートなどについては誤解も。
予防のため、正しい知識を身につける必要がある。
シラミのうち、小学生以下の子どもの頭髪に寄生して血を吸うのは、
主にアタマジラミ。
かゆみが出るが、戦中戦後にはやったコロモジラミと異なり、
病気を運ぶことはまずない。
保育所などの集団生活で発生するケースが多いが、
「プールの水を経由して寄生する」というのは誤解。
長年、アタマジラミの相談を受けてきた池袋保健所の矢口昇さん
(環境衛生担当)は、「プールの水を経由して感染することはない。
ロッカーやかごの中で、脱いだ衣類を通じて感染する可能性。
衣類は、個別の袋に入れるなどして管理する必要がある」
帽子やブラシを貸し借りしたり、枕や布団、シーツなどを
共用した場合も感染の恐れがある。
子ども同士が固まってマンガを読んだり、ゲームをするような場面も要注意。
清潔にしていても、感染する可能性は十分ある。
寄生したアタマジラミは、どうやって見つけるのだろうか?
「鈴の木こどもクリニック」(品川区)の鈴木博院長は、
「アタマジラミは、うなじや側頭部(耳の上周辺)に寄生しやすい。
そこを中心にチェックしてください」
アタマジラミの卵は、髪の毛にしっかり張り付いている。
フケのようなものがついていたら、髪を払って落とすが、
それでも取れずに残っているようなら、卵の疑いがある。
卵は約0・5ミリなので見つけにくいが、目を凝らせば
「涙のしずく」のような形をして、髪にへばりついている。
シラミの親も、卵の周辺にいる可能性が高い。
親は2-3ミリなので、比較的見つけやすい。
感染した子どもに兄弟や姉妹がいる場合は、
全員の頭髪をチェックする必要。
駆除の手っ取り早い方法は、殺虫剤のスミスリンを含んだ
市販のシャンプーを使用、目の細かいシラミ対策用のクシですきとる。
矢口さんは、「家にあるベビーオイルやリンスを使う方法も。
普通のクシでも、斜め向きにすきとれば効果がある」
普段からのケアも大切。
小学生程度なら、スキンシップを兼ねて月に1、2回、
頭髪をチェックする機会を作るのもいい方法。
東京都環境衛生課のまとめによると、アタマジラミに関する相談件数は、
07年度に過去最高の1935件、08年度はほぼ半減。
同年、啓発用のパンフレットを配布したことが奏功した。
祖父母世代と異なり、親世代にシラミの知識が乏しいことも、
近年の増加傾向の一因。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/7/6/103649/
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